【飛行機の迷信②】飛行機に乗っているとお酒に酔いやすい!?

飛行機の迷信2回目はお酒の話。飛行機の中でお酒を飲むと、地上にいる時よりも酔いやすいって聞いたことありませんか。果たして本当でしょうか。

この迷信はズバリ「正しい」です。

長時間のフライト、機内の限られたスペースでの楽しみと言えば、映画などのエンターテイメントもありますがやっぱり食事です。おいしいかどうかはともかく、いつもとは違った環境で、いつもとはちょっと違った食べ物を食べるのは気が紛れます。

1万メートルを超える高度で安定飛行に入ると、CAのみなさんがドリンクを配り始めます。いよいよ旅が始まったなと実感するタイミングですよね。清涼飲料水でも、ジュースでも、ビールでにワイン、ウィスキーやジンのミニボトルなど、なんでもあります。さて、特にやらなきゃいけないこともないし、できれば眠ってしまいたいということでお酒を頼む人も多いと思います。

身をもって体験された方も多いかと思いますが、この上空1万メートルでのアルコールは、ずばり地上よりもやっぱり酔いやすいんです。

なんで酔いやすくなっちゃうの?

飛行機の中の気圧は地上よりも低いそうです。1800メートルから2200メートルの高さの山にいるこうなもので、富士山なら五合目くらい。そのような気圧だと、身体に酸素を取り込む能力が2割ほど下がってしまいます。そうすると、体の中でアルコールを分解するスピードも落ちてしまい、体内のアルコール濃度がいつものように下がらないため、長い時間酔った状態が続きます。

それに気づかぬまま地上にいる時と同じように、もう一杯とお酒を重ねていくと、いつもより体内のアルコール濃度が高くなっていってしまうということになります。

ANAのホームページによれば、地上の2倍酔うそうです。

諸説ありますが、機内で酔いやすいのは体内の酸素が減るため代謝が悪くなり、アルコール分解が遅れるためと、気圧が低いために末梢血管が拡張し、血液循環が促進されてアルコールがまわりやすくなるためと言われています。なんと機内では地上の2倍程度酔いやすいという報告も。

「ANA Trivia Vol.23」より引用

エコノミー症候群のリスクが高まる!

アルコールは利尿効果を高めます。そのため脱水症状に陥りやすくなります。脱水症状が進むと、エコノミー症候群を引き起こすリスクが高まるのはみなさんご存知の通りです。「お酒を楽しんで、トイレに行ってゆっくり眠る」のはあまりよくなさそうです。

KLMオランダ航空では、アルコール飲料を取ったら必ず同じだけの水を取るようにすることをすすめています。また、塩辛い料理はアルコールが進むので、避けたほうがいいそうです。機内食についてくる塩は振らないほうがよさそう。

また、アルコール摂取による不適切な行動は国際法違反であり、機長はそのような乗客を降機させる、または法を執行する機関に引き渡す権限があるということです。

いつも通りに飲んでいたのに、つい酔っぱらってしまって・・・という言い訳は通じないようですね。

いずれにしても適量が大事!

地上でお酒を飲む時以上に、「適量」に気を使ったほうがよさそうです。そしていつもよりゆっくりと楽しんで、水を取ることも忘れずに。

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