豪雨災害復興へ建設雇用助成の利用ゼロ 広島県創設3カ月で

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 西日本豪雨災害の復興で建設技術者が不足しているのに対応するため、広島県が県内の建設業者向けに設けた助成制度の利用が、昨年10月の創設から3カ月たった現在もゼロであることが23日、分かった。県は「要件が厳し過ぎた」と分析し、急きょ、年齢制限や居住地を緩めるなどの対策を取った。県議会の一部からは見通しの甘さを批判する声も出ている。

 「建設技術者等緊急雇用助成制度」の名称で、昨年10月15日につくった。県内の建設業者が県外から新たに技術者を雇った場合、1人につき中小企業で60万円、それ以外には50万円を支給する。建設業界は2020年の東京五輪を控えて全国的に人手が不足しており、災害復旧の担い手となる技術者を確保し、定住にもつなげようと計画した。

 対象の技術者は、工事現場の監督役となる土木施工管理技士や、重機などを操作するオペレーター。60歳未満に限定し、県内の人材の奪い合いにならないよう県外在住も条件とした。19年度分を確保する債務負担行為と合わせて6千万円の事業費を18年度補正予算で手当てし、18年度に100人の定着を目指した。

 しかし、これまでに利用実績はなく、申請もない。県は建設業界団体に聞き取った意見を踏まえ、要件が厳し過ぎる点などが原因だと分析。今月18日に要件を見直し、県内の約1300社の建設業者にも伝えた。

 具体的には、年齢を70歳未満まで広げた。県内に住んでいても、直近の6カ月間に建設業者で働いていない転職者や、新規就職者も対象に加えた。技術者についても、一定期間の実務経験があって主任技術者の要件を満たすケースや、雇い入れから6カ月以内に建設機械の運転資格を取得する場合も支給するとした。

 これに対して、湯崎英彦知事の県政運営と距離を置く会派の県議の一人は「当初から利用へのハードルが高く、現場を理解していない制度だった」と県の姿勢を疑問視する。県建設産業課は「要件の緩和で以前よりも利用しやすくなり、引き合いも出てきた。雇用を促し、被災地の早期復興につなげたい」としている。