的確なのは? 9選手大補強の巨人と阪神「B」評価…12球団補強採点【セ編】

FAでセ球団に移籍した西勇輝、丸佳浩、炭谷銀仁朗(左から)【写真:荒川祐史】

丸が流出の広島、長野獲得と投手陣整備で及第点か

 1月も半ばを過ぎ、いよいよ2月1日のキャンプインが目前に迫ってきた。宮崎、沖縄、そして米アリゾナ州でセパ12球団が開幕に向けた1か月に及ぶ長く厳しいキャンプを一斉にスタートさせる。

 シーズンオフの間、各球団のフロントは来季への戦力編成を進めてきた。頂点を狙うには、自チームに足りない部分はどこか、補うべき部分はどこか。そこを見極めながら新外国人の獲得やトレードなどで進めてきた補強も、時期的に各球団ほぼ出揃ったといえるだろう。

 各球団の補強の成果はシーズンが終わってみないと分からないものではあるが、どの程度、戦力的な上積みが見込めそうか。Full-Count編集部では各球団の補強を上からA~Eの評価で独自に診断してみた。

○セ・リーグ
【広島】C
カイル・レグナルト投手(メッツ傘下)
菊池保則投手(楽天からトレード)
ケーシー・ローレンス投手(マリナーズ)
長野久義外野手(FA人的補償)

 3年連続でセ・リーグを制覇した広島。リーグトップの721得点を奪った攻撃陣に比べ、投手陣は651失点、防御率4.12と不安定だった。オフはレグナルト、ローレンスと2人の助っ人投手を獲得し、トレードで菊池を獲得。目立つ補強ではなかったものの、課題だった投手陣を補った。手厚い野手陣では丸がFAで巨人に移籍となったが、人的補償で実績豊富な長野を獲得。多少の戦力ダウンはあるものの、及第点の補強だったのではないか。

【ヤクルト】C
寺原隼人投手(ソフトバンク戦力外)
五十嵐亮太投手(ソフトバンク戦力外)
スコット・マクガフ投手(ロッキーズ傘下)
アルバート・スアレス投手(ダイヤモンドバックス傘下)
高梨裕稔投手(日本ハムからトレード)
太田賢吾内野手(日本ハムからトレード)

 昨季は2位に食い込んだものの、クライマックスシリーズで巨人に敗れたヤクルト。山田やバレンティン、青木らが並ぶ打線は強力である一方、広島同様に投手陣が課題だった。オフは投手だけで5人を補強。日本ハムからかつての新人王である高梨を獲得。助っ人でマクガフとスアレスを加え、ソフトバンクを戦力外となった寺原、五十嵐も入団した。投手陣に厚みを与えた。

9選手獲得の巨人、近年の世代交代の流れと幾分の矛盾も…

【巨人】B
丸佳浩外野手(広島からFA)
炭谷銀仁朗捕手(西武からFA)
中島宏之内野手(オリックス自由契約)
岩隈久志投手(マリナーズ退団)
クリスチャン・ビヤヌエバ内野手(パドレス)
ライアン・クック投手(マリナーズ)
イスラエル・モタ外野手(育成、元ナショナルズ傘下)
レイミン・ラモス投手(育成、レイズ傘下)
山下亜文投手(育成、ソフトバンク戦力外)

 支配下だけで6選手、育成も含めると9選手を獲得し、大補強に動いた巨人。FAで丸、炭谷をW獲りし、助っ人でもクック、ビヤヌエバとメジャーでの実績を残す大物を獲得した。積極度は最高評価「A」に値するものの、近年の若手への世代交代と幾分矛盾するベテランの補強や、一昨年のドラフトで捕手3人を獲得しながらの捕手の炭谷獲得と、やや一貫性に欠ける点はマイナスか。

【DeNA】D
中井大介内野手(巨人戦力外)
古村徹投手(BC富山)
レミー・コルデロ投手(育成、元ダイヤモンドバックス傘下)

 昨季は特に投手陣の怪我人続出に苦しみ、4位に終わったDeNA。ラミレス監督が続投して迎える2019年だが、オフの動きは少なかった。ドラフト以外の新戦力は巨人を戦力外となった中井と、出戻り復帰となる古村、そして育成契約で加入するコルデロの3人だけ。怪我人さえ戻れば、既存戦力で十分戦えるという判断だろうが、果たしてどうなるか。

【中日】D
エンニー・ロメロ投手(ロイヤルズ傘下)
渡辺勝外野手(育成→支配下)

 与田剛新監督のもとで再出発を図る中日。ドラフト以外での新戦力はセ・リーグで最少の2人だけとなっている。昨季チームトップの13勝をマークしたガルシアが退団(のち阪神への入団が決定)。その代役として最速164キロの左腕ロメロを獲得し、育成選手の渡辺を支配下に昇格させた。とはいえ、補強という面ではほぼ戦力的な上積みは無し。現有戦力の底上げにチームの浮上を託すしかない。

【阪神】B
西勇輝投手(オリックスからFA)
ピアース・ジョンソン投手(ジャイアンツ)
オネルキ・ガルシア投手(中日から自由契約)
ジェフリー・マルテ内野手(エンゼルス)

 昨季は最下位に沈んだ阪神。金本知憲監督が辞任し、矢野燿大新監督に指揮を託した。このオフは充実の補強を敢行。オリックスからFAで西を獲得し、昨季中日で13勝をあげたガルシアも加入した。今季外国人枠を外れるメッセンジャーとともに強固な先発ローテを組めそう。リリーフでジョンソンも加わり、投手陣はより手厚くなった。とはいえ、阪神の最大の課題は打線。中軸候補としてマルテを加えたものの、投手陣と比べると手薄なままと言えるのではないか。(Full-Count編集部)

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