「今後も被害者に寄り添う」 新聞労連ジャーナリズム大賞 本紙企画「カネミ油症50年」優秀賞 都内で表彰式

 全国の新聞社労働組合でつくる日本新聞労働組合連合(新聞労連、南彰委員長)の第23回ジャーナリズム大賞表彰式が23日、東京都内であり、優秀賞に選ばれた長崎新聞社の年間企画「カネミ油症50年」の取材チームに表彰状が贈られた。
 年間企画は、連載や特集、一般記事で被害者の声を伝えることで油症事件の「今」を切り取り、子や孫への影響にも焦点を当てる内容。全国的に公害問題が取り上げられなくなる中で「丁寧にフォローし、課題を浮き彫りにした。あらためて光を当てるキャンペーンで貴重」と評価された。優秀賞は大賞に次ぐ賞。
 表彰式には取材チームの三代直矢五島支局長が出席し「被害者に寄り添いながら今後も取材を続けたい」とあいさつした。
 取材には石田慶介前五島支局長、田賀農謙龍報道部記者が携わった。チームリーダーの山田貴己生活文化部長は「解決への道はまだ遠いが、事件を二度と埋もれさせないことが地元紙の使命」と話した。
 同賞は昨1年間の掲載記事が対象で、平和・民主主義の確立や言論の自由に貢献した記事を表彰。本紙受賞は3度目。

ジャーナリズム大賞優秀賞の表彰状を受け取る三代五島支局長(右)=東京都内

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