熱中症、ペットにも注意を ―ユーザー版2018年夏季号から

チェックリストで対策

 「熱中症」の文字が気になる季節となってきた。

 特に、人間とともに懸念が強まっているのがペット。7月~8月に発症のピークを迎えるこの時期、「対策をしてる」回答は3割にとどまっているからだ。

 家族の一員でもある大事なペットのため、東京電力エナジーパートナーが獣医師の中村篤史氏(TRVA夜間救急動物医療センター長)の監修で作成した、イヌ・ネコの熱中症対策のチェックリストを紹介しよう。

熱中症は夏場にピーク

 梅雨の時期は、身体が暑さになれていないため、上手に汗をかくことができない。そのため、放熱量が低くなり「熱中症」になりやすくなる季節だ。

 気象庁発表のデータによると、今年の夏は6月から8月にかけて、全国的に平年並みか平年より高い気温になることが見込まれる。特に気温が高い日には、人間だけでなくペットも体調不良に陥りやすいという。

 アニコム損害保険が実施した『診療月別受付事故数』によると、ペットの熱中症は毎年4月頃から発生件数が増え始め、人間と同じく7月~8月にピークを迎える。特に、7月は269件と6月(100件)の約3倍であり、しっかりした対策が必要とした。

 一方で、ペット&ファミリー少額短期保険が、ペットを飼っている20歳~70歳代の男女917人を対象に『ペットの暑さ対策に関する意識調査』を実施。その結果「現在、熱中症対策をしている」との回答は室内が33・0%、外出時が23・1%にとどまった。

10項目の兆候、見逃さずに

 ペットは、人間と違って自ら体調管理ができない。そのため、夏場はしっかり熱中症対策を講じるとともに、ペットが発する熱中症の初期段階のサインを理解・見逃さないことが大切という。

 中村センター長監修のチェックリストは(1)呼吸が普段よりも荒い(2)よだれの量が増える(3)高体温の状態が継続する(4)普段よりもペットの反応が薄い(5)食欲がない(6)嘔吐の症状が出る(7)下痢、血便が断続的に発生する(8)ひきつけが起きる(9)ふらふらする(10)目が充血する――の10項目。「幼齢や高齢、肥満や持病(腎臓病や心疾患)がある場合は、熱中症にかかる割合はより高くなる」とみる。

 その上で、熱中症を予防するために「暑い日の散歩は避ける」や「ペットを置いての外出の際はエアコンの設定温度を確認」といった、ペットといいながらも人にも通じる注意点を示した。

© 株式会社住宅産業新聞社