ベラルーシのミンスクで23日、フィギュアスケートの欧州チャンピオンを決める欧州選手権が始まり、平昌冬季五輪金メダリストのアリーナ・ザギトワ選手が女子ショートプログラム(SP)でトップに立つなど、ロシア勢が注目されている中、同国からショッキングなニュースが飛び込んできた。13歳のジュニアの女子フィギュア選手に続き、14歳の別の選手も24日までに、ドーピングへの関与をうかがわせる発言をしたのだ。
スポーツ紙ソビエツキー・スポルト(電子版)などによると、利用者同士が質問や回答が出来るQ&Aサイトで、ファンの一人が14歳のダリナ・バリチェンコ選手に「『正しい』ドーピングって何。あなたもやっているの」と尋ねたところ、同選手は「何の(薬物)かによるけど、たぶん、やっているわ」と回答。
ファンが「あなたの発言はすぐにネットで広がって、皆から批判されるわよ」と指摘すると、バリチェンコ選手は「私はどうでもいい」と答えた。
ロシア・フィギュアスケート界のドーピングを巡っては先に、13歳のアナスタシア・シャボトワ選手が自身のインスタグラムで、安定した演技を行うためにドーピングが必要とした上で、ザギトワ選手が所属するモスクワのフィギュアスケーター養成学校「サンボ70」フルスタリヌイ支部でもドーピングが行われていると断言。シャボトワ選手はこの中で「『正しい』薬物を飲まなければいけない」と述べており、バリチェンコ選手への質問はこれを受けたものだった。
フルスタリヌイ支部は名コーチ、エテリ・トゥトベリゼさんが女子フィギュアのコーチを務め、ザギトワ選手以外にも銀メダリストのエフゲニア・メドベージェワ選手やソチ冬季五輪団体金メダリストのユリア・リプニツカヤ選手ら多くの名スケーターを輩出している。
シャボトワ選手のドーピング発言はメディアで大きく伝えられ、同選手のコーチやロシアのフィギュアスケート連盟関係者が「子供の意味のない発言」と打ち消しに走る中、ロシアの反ドーピング機関が調査に乗り出すと言明。一方、当のシャボトワ選手はその後「ばかなことを言ってしまった」と謝罪していた。 (共同通信=太田清)