【大磯町中学給食問題】「自校方式」での再開決定 検討会

 残食率の高さや異物混入で2017年から神奈川県大磯町立中学校の給食が休止となっている問題で、同町の保護者や学校関係者らでつくる検討会は24日、3回目の会合を開き、給食再開の方式について校舎内の調理場から配膳する「自校方式」を採用することを決定した。町側は本年度中に最終決定する見通しで、再開は早くても2021年度以降となりそうだ。

 大磯町立中学校2校の給食の再開に向けて本年度、町が業者に調査を委託。再開の実施方式について昨年10月から保護者や行政関係者による検討会を開き、協議を続けてきた。

 これまでの会合で業者側は中学校2校で計900食分の調理施設の建設費と維持管理費について算出。自校方式では今後30年で町に約30億円の負担となるとした一方で、共同調理場で作る「センター方式」では約56億円の支出と試算した。また保護者や町民からは自校方式での再開を求める声が上がっていた。

 大磯中学校(同町東小磯)では体育倉庫などを解体して調理場を新たに建設。国府中学校(同町月京)ではグラウンドの観覧席の一部を撤去するなどしてスペースを確保する。

 国府中学校では調理場が災害時の避難経路をふさぐなど、教育現場への影響が懸念されている。保護者からは「建物の面積を縮小してほしい」との要望もあり、町側は「今後さまざまな工夫をして考えたい」と説明した。

 中学校給食を巡っては、2016年に工場からのデリバリー方式がスタート。しかし、配送時に弁当を冷却することから生徒の残食が相次ぎ、17年10月に休止に追い込まれた。

自校方式による再開を決めた大磯町立中学校給食検討会=大磯町役場

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