新鮮な花をすてきにアレンジ「フォーネスト」

季節ごとに異なるテーマ

当日卸売市場で仕入れたみずみずしい花を使う「フォーネスト」の教室

クイーンズ区フォレストヒルズにある住宅の部屋いっぱいに、新鮮な花のいい香りが広がる。ここは本格的なフラワーアレンジメントを楽しく学べる「フォーネスト」の教室。季節ごとにテーマを決め、花を生けたリースや置物の制作に取り組む。

手ほどきをするのは先生のステッソン陽子さん。教室開催日の朝、サニーサイドの卸売市場で仕入れたばかりのみずみずしい花をたくさん使い、1本1本丁寧に飾り付けていく。「材料は同じでも配色や飾り方で微妙に違う作品ができ、個性が出るのが面白さの一つです」

ステッソン陽子さん 私が教えるお花は英国風です。ガーデニング好きな英国人らしい、お庭を切り抜いて飾るようなイメージの作品を心掛けています。花材をどう使うかは生徒さん次第で、微妙に違う作品が出来上がるのも面白いです。毎回テーマを変えますが、作り方やテクニックは同じです。一緒に楽しくアレンジしましょう!

年の瀬も迫ったこの日はクリスマスのリースを作るのが目標。給水スポンジ、通称「オアシス」の輪っかに、ピンクのバラや紫のカーネーション、ユーカリにモミの木の葉、洋ナシなどを思い思いに挿し、組み合わせる。

陽子さんから「指で葉っぱを拭くときれいに光沢が出ますよ」といったコツを教わりながら、午前10時ごろからせっせと作り始めた。「ボリュームがある1本はどう使えばいいの?」などと尋ねると、先生が「こうして細かくして…」と手本を見せる。参加する生徒が「先生、ごめん。さっきのところ聞いてなかった。もう一回」と言えば笑いが起き、和気あいあいと談笑しながら時間が過ぎる。

「おしゃべりしながらなので後半はバタバタです」と陽子さん。「ちょっとグレーがかっていてきれいね」とか「あなたのすてきー」と褒めつつ、完成度を高めていく。

完成した作品にみんな笑顔

開始から2時間ほどでだいぶ形になってきた。はた目には完成に見えても、生徒は仕上がりにまだ納得していない様子。真剣な眼差しで微調整して完成に近づける。陽子さんは「ある意味、完成っていうのはないんです。自分の心ゆくまでやるんです」と説明する。

最後は皆、世界に一つのオリジナルを手にしてご満悦。完成直後、植物は青々としているが、水分が抜けて茶色く変わり、また味わい深い風合いになる。クリスマスシーズンが終わっても楽しめるそうだ。

陽子さんが丁寧に花の取り扱い方を教えてくれる

会場として部屋を提供した上田美穂子さんは数年前から参加し、過去の作品をたくさん飾っている。「先生がお花をたくさん買いそろえてくれ、それをどう生かすかもきちっと教えてくれる。そこがこの教室の魅力です。自分で一からやろうと思ってもなかなかできませんから」と話す。

同じくフォレストヒルズに住む町田佳卉(よしか)さんは「先生の教え方が上手で、イメージした通りにお花をアレンジできます。毎回、出来に満足です」とうれしそう。

陽子さんは「2月はバレンタイン、10月はハロウィーンというように毎回テーマを変えて作っています。難しくありませんからお気軽にご参加ください」と語った。

Four Nests

フォレストヒルズで月1回開いている他、ハリソンやウェストチェスターでも開催。参加費目安は材料費も込みで85〜90ドル。陽子さんはロンドンのフラワーデザイナー、故ジェーン・パッカーさんに師事。

【問い合わせ】
fournests@gmail.com
https://www.facebook.com/fournests

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