ハム栗山監督、「稚心を去る」出版 自著に込めた思い「去年ずっとテーマだった」

日本ハム・栗山英樹監督【写真:荒川祐史】

24日、札幌市内の書店でトーク

 日本ハムの栗山英樹監督が24日、札幌市内の書店で自身の新刊「稚心を去る」のトークイベント&サイン会を行った。

 監督に就任してから歩んできた7年間、どういう意図を持ってチームを導いてきたのかを具体例を挙げて書き連ねた1冊。「これだけはすごくこだわった」というのはタイトルだ。幕末の思想家・橋本左内が説いた言葉で、子供っぽい心を捨て去らない限り、何をやっても上達しないという意味がある。

 3位に終わった昨季、この言葉が自身の中でキーワードだったという。「心が“100%こうするんだ”となっていない時があって、どうしてと思ったら、やっぱり稚心なんだ。要するに子供っぽさ。俺のことどうするの?とか、俺のこと見てる?とか。そんなことじゃないだろ、組織が勝つためにみんなやってくれと言っている。そこの物事の捉え方が俺を含めて全員が成長させなきゃいけないと思っていた。去年、ずっとテーマだった」と栗山監督は明かした。

 子供っぽさを捨て、チームの日本一奪還に全力を尽くす成熟した集団へ。「我々はなんで生きているのかと思えば、なにか使命があって尽くすために生きている。その意識さえあれば、嫌なことでも前向きに捉えられる。プラスアルファのチームの魅力を出すためには、なにか持ち込まないと勝てないと思った」とタイトルに込めた思いについて語った。(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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