「銭座防空壕」保存 市民団体が要請書 長崎市、見解変わらず

 昨年2月、九州新幹線長崎ルート建設現場の長崎市天神町で確認された防空壕(ごう)群に関し、市民団体「銭座防空壕群を保存する連絡会」(中村住代氏ら共同代表)は25日、保存を求める要請書を同市に提出した。市側は保存しないとの従来の見解を重ねて示し、平行線に終わった。
 防空壕群について、同会は工事発注元の鉄道建設・運輸施設整備支援機構に保存を働き掛けるよう市に求めており、同様の要請は今回で6回目。要請書では、防空壕群全15カ所のうち現在残る4カ所の保存と活用などを求めた。
 同会の10人が同市役所を訪れ要請書を提出。現地で200回以上の抗議活動をしていることを伝え「保存を再検討してほしい」と訴えた。また、市が設置を検討している防空壕群に関連した説明板について、被爆継承に効力を持つためには保存が不可欠だとした。
 これに対し、市側は「被爆建造物として保存すべきものに当たらない」とし、現存する4カ所は2月末までに撤去されるとの見通しを示した。説明板の内容については銭座地区の被災状況や地図、防空壕の写真などを想定していると説明した。

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