五輪開催に合わせて東京で原爆展 広島市方針

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 広島市が、2020年に開かれる東京五輪・パラリンピックに合わせて東京都内で原爆展を開く方針であることが26日、分かった。各種競技会場や選手村から交通の便が良い都心での開催へ向けて調整している。世界中から選手やスポーツファンが来日し、会期中に広島、長崎の「原爆の日」を迎える「平和の祭典」を核兵器廃絶への機運を高める好機とみて、被爆の実態と平和の願いを発信する。

 関係者によると、開・閉会式や陸上競技、サッカーが開かれるメインスタジアムの新国立競技場(東京都新宿区)と、JRと地下鉄のいずれも同じ路線で結ばれる都心の複合施設が候補になっている。市は複数箇所での開催も視野に、ほかの施設も検討している。

 市がこれまで開いてきた原爆展では米国の原爆投下による犠牲者の遺品や、放射線による被爆者への健康影響を解説するパネルなどを並べ、被爆者の体験証言も催してきた。今後、同様に被爆の実態から核兵器の非人道性を伝える内容の準備を進めるとみられる。

 また市は、広島訪問を希望する各国の選手や大会関係者たちを対象に、被爆の実態を伝える受け入れプログラム作りも進める方針。20年7月24日から8月9日に開かれる五輪では、競泳、テニスなど8月6日よりも前に日程を終える種目もあるだけに、被爆75年の節目となる平和記念式典への参列も歓迎する考えだ。

 市は20年度に先立つ19年度、国内では広島、長崎県以外の45都道府県で唯一開催実績がない鳥取県などで原爆展を開く計画。19年度当初予算案に原爆展の関連費用を計上して同年度の実施を進め、東京開催の準備も取り組む方針でいる。