五穀豊穣を大しめ縄に願う 淀姫神社のヤモード祭り

 長崎県佐世保市松原町の淀姫神社(山口毅宮司)で27日、江戸時代から約400年続くとされる県指定無形民俗文化財「ヤモード祭り」があり、五穀豊穣(ほうじょう)と家内安全を願った。
 松原町と矢峰町の氏子でつくる奉賛会(川尻邦夫会長)が毎年、稲作が始まるのを前に開いている。両親が健在の男性2人が山の神の使者「ヤモード」(山人)となり、祭りをつかさどる。今年は、松原が市立大野中3年の松永清吾さん(15)、矢峰は会社員の牟田郁弥さん(24)が務めた。
 松永さんと牟田さんは厳しい寒さの中、近くの池で身を清めた。氏子らは約6時間かけ、稲わらで長さ8メートル、重さ300キロの大しめ縄作り。この後、ヤモードの2人は鳥居に登り、住民と力を合わせて大しめ縄を架けた。餅まきもあり、地元住民らでにぎわった。
 2回目の大役となった牟田さんは「無事に終わり、達成感がある。地域の人たちの笑顔が見られてよかった」。松永さんは「地域の人たちと、祭りを受け継いでいきたい」と話した。

力を合わせ、大しめ縄を鳥居に架けるヤモードら=佐世保市、淀姫神社

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