ブッチャーズ『NO ALBUM 無題』のジャケットにも作品が起用された画家、深井克美の生誕70年・没後40年を記念した特別展が北海道立近代美術館で開催

函館に生まれ、病魔に苦しみながら独特の幻想的な世界を描き続け、30歳で衝撃的な死を遂げた画家、深井克美の特別展『生誕70年・没後40年記念 深井克美展 Katumi Fukai Exhibiton』が2月5日(火)から3月21日(木・祝)まで北海道立近代美術館で開催される。

本展は、深井克美の初期から絶筆までの代表作を網羅するとともに、没後5年に開催された回顧展以降の研究成果を踏まえ、彼の画業に大きな影響を与えた作家たちの作品や関連資料なども加えて、描くことでしか生きられなかった一人の画家の足跡を丁寧にたどるもの。

bloodthirsty butchersの『NO ALBUM 無題』のジャケットに起用された『ランナー(未完)』(1978年)を始め、見る者を強く惹きつける幻想的な作品を鑑賞できるまたとない機会であり、出生の地である北海道での決定版となる回顧展となりそうだ。

なお、bloodthirsty butchersの吉村秀樹は深井の『ランナー(未完)』について、生前こう語っている(本誌2010年3月号掲載のインタビューより引用)。

「俺が18くらいの時かな、たまたま寄った札幌の美術館で深井さんの個展がやってたんだよ。まだモヒカンだった時ね(笑)。その時に見た絵は全部覚えてないけど、何かグロいなぁ…と思って。『何なんだ、この人は?』とか感じつつも、いい絵を見たなと思ってね。後になってその絵のことを思い出して、名前は忘れたけどインターネットで検索してみたわけよ。函館の人で、最期は自殺したっていうのは覚えてて、それを打ち込んだら絵がいくつか出てきた。そのなかに画風が違うのが1枚あって、それが『ランナー』だったんだよ。何とも言えない透明感があって好きで、それをプリント・アウトしていつも家に飾ってたんだよね。昔からいつかその絵をジャケットにしたいなと思ってたんだけどさ」

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