亡き家族へ、つづった愛 大槌で被災、小畑さん自費出版

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小畑幸子さんが自費出版した「命と愛に満ちた日々」

 東日本大震災で一人息子を亡くし、直後に夫にも先立たれた大槌町大槌の小畑(おばた)幸子さん(84)は、震災後につづった日記と短歌をまとめた「命と愛に満ちた日々」を自費出版した。亡き家族への思いや温かい記憶を書き留めることが生きる支えとなった日々を、生きた証しとして形にした。「必ず生きる」-。強い思いが詰まった一冊だ。

 4章で構成し、1~3章は家族や愛犬と過ごした時間や震災後の思いをつづった日記をまとめ、4章では短歌150首を紹介。悲しみを受け止めることができずに愛犬の目線で書いた文章、夫や息子に宛てた「返事の来ぬ手紙」などに小畑さんの思いがあふれる。

 小畑さんは震災で同町新町の自宅が被災。長男が犠牲になり、捜索中にけがを負った夫は震災の約5カ月後に亡くなった。自身もがんを患い、骨折で長期入院も経験。「震災がなければ」と考えることもあったが、思いを字にすることが心の支えとなった。

 A5判216ページで税抜き1400円。釜石市、大槌町、宮古市の書店で購入できる。問い合わせは発行所の創栄出版(022・267・5935)へ。