鉾田の石崎章さん 通学児童見守り16年 3月閉校、串挽小 感謝の声励み「最後まで」

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通学児童の見守りを続ける石崎章さん(右奥)=18日午前7時45分ごろ、鉾田市串挽の県道「串挽交差点」

鉾田市の県道交差点で、児童の通学を毎日見守り続ける男性がいる。活動は約16年間に及び、横断歩道を渡る小学生たちとはすっかり顔なじみだ。少子化の影響で小学校は3月末に閉校し、4月からは新設校のスクールバスが運行されるため、通学時に交差点を渡る児童はいなくなる。男性は「子どもたちにたくさん元気をもらった」と閉校まで見守りを続けるつもりだ。

男性は同市串挽の自営業、石崎章さん(74)。自宅近くの「串挽交差点」で2003年春ごろ、近くの市立串挽小へ通う児童の見守り活動を始めた。

きっかけは、仕事へ向かう途中で目にした同交差点での出来事。「信号は青だが右左折する車両が多く、子どもたちが横断歩道を渡れないまま赤に変わってしまった。これはいかんと思った」。すぐに近くの駐車場に車を止めて誘導したところ、渡り終えた子どもたちが笑顔で「おじちゃん、ありがとう」。その一言が本当にうれしかった。

その日以来、雨の日も風の日も交差点に立つようになった石崎さん。活動開始後は、通学児童が絡む事故は1件も起きていないが、ひやりとする場面は少なくなかった。信号無視の車が横断歩道に突っ込み、石崎さんが子どもたちの盾になろうとしたことも。車は石崎さんの数十センチ手前で急停止したが、ドライバーは携帯電話で通話中の「ながら運転」だった。

そんな石崎さんに学校側の信頼も厚い。同小の飯島誠校長は「16年も続けるのはすごいこと。本当に助かっている」と感謝しきりだ。児童たちも、見守り時の写真やお礼の言葉を添えた色紙を毎年贈っている。その色紙は石崎さんの宝物になっている。

「おはようございます」「行ってきます」-。声掛けに応える子どもたちの生き生きとした表情は、石崎さんの活動の原動力。しかし、その活動も3月末で大きな区切りを迎える。同小を含む鉾田地区の小学校7校が閉校となり、児童たちは4月から、新設の鉾田南小へスクールバスで通うためだ。串挽小学区にはバス停が複数設置され、交差点を渡る児童は姿を消す。

日課の見守りがなくなれば「(朝の)時間を持て余すなあ」と笑う石崎さん。4月からは「地域でやれることがあるはず。体が動く限り、何らかの形で子どもたちの安全に関わっていたい」と新たな活動の場を探すつもりだ。(大平賢二)