「核禁条約 価値観変える」 長崎大・中村准教授 ネバダデーちなみ講演 長崎

 1951年に米国がネバダ州で核実験を始めた日に由来する「ネバダデー」翌日の28日、長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA=レクナ)の中村桂子准教授が長崎市内で核兵器禁止条約に関して講演した。 核禁条約は2017年7月に採択、50カ国・地域が批准すれば発効される。中村准教授は世界には核抑止論が根強く残る一方で「条約は核兵器に悪の烙印(らくいん)を押し、世界の価値観を変える大きな引き金となる」と強調。これまでに署名が70、批准が20カ国・地域に達している現状を伝え、早期発効の重要性を訴えた。
 条約に参加せず核保有国と非保有国の「橋渡し役」を強調する日本政府に対しては「被爆国として、核同盟国として両方(核保有国と非保有国)にいい顔をしようとするが、どちらの支持も得られていない」と指摘。世界の核問題に積極的に関わることを求めた。
 講演は原水爆禁止県民会議と県平和運動センター被爆連が主催。約60人が参加した。

核情勢について講演する中村准教授=長崎市桜町、県勤労福祉会館

© 株式会社長崎新聞社