長崎大がBSL4施設着工 周辺住民ら抗議

 長崎大は28日、長崎市坂本1丁目の坂本キャンパスで、特に危険な病原体を扱う感染症研究施設「バイオセーフティーレベル(BSL)4」の建設工事を始めた。

 BSL4はエボラ出血熱など致死率が高かったり治療法がなかったりする感染症の病原体を扱う。施設は地上5階建て(高さ約43メートル)で、建築面積は1278平方メートル。実験室は厚さ20センチ程度のコンクリートで囲う。2021年度に完成予定で、2022年度以降、段階的な稼働を経て本格稼働を目指す。

 工事現場では、高いフェンスが建設予定地を囲い、複数の作業員が工事の手順を確認したり必要な資材を準備したりしていた。

 一方、坂本キャンパスの出入り口前では、安全性の観点から反対する周辺住民ら約40人がプラカードを掲げて「住民の合意がない着工に反対」などと訴えた。近隣の山里中央自治会の道津靖子会長(59)は「強行な着工に住民は不安や怒りでいっぱい」と語った。

建設資材を運び込む作業員=長崎市坂本1丁目

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