ロシア新型ICBM「10発で米国全滅」

軍事専門家試算、1発で3千万人超犠牲

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太田清

47NEWS編集長

太田清

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共同通信社入社後、広島支局、大阪社会部、外信部、経済部、ベオグラード支局、モスクワ支局、ローマ支局などを経て2016年より現職。イトマン事件、阪神大震災、コソボ紛争、ユーゴ空爆、モスクワ劇場占拠、アフガン紛争、ギリシャ財政危機、東日本大震災などを取材。

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「サルマト」の発射実験=2018年3月30日、ロシア北部プレセツク宇宙基地(ロシア国防省提供・AP=共同)

 ロシア国防省系の軍事ニュース専門メディア「週刊ズベズダ」は28日、ロシア軍が開発中の最新兵器に関する特集記事を掲載。この中で軍事専門誌「祖国の兵器庫」編集者で軍事専門家のアレクセイ・レオンコフ氏はロシアの新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「RS―28サルマト」について「10発で米国の全国民を殺害する威力がある」との試算結果を明らかにした。 

 サルマトについては、プーチン大統領が昨年3月に行われた連邦議会に対する年次報告演説で、米国が世界で進めるミサイル防衛(MD)網構築に対抗するため開発中であることを明言。「どのようなMDシステムでも阻止できない」と豪語。大型スクリーンで、米フロリダ州とみられる地点に降下する多数のミサイルを映したCGも公開し物議を醸した。国防省はその後、サルマトの発射実験の様子を写した映像を公開していた。 

 レオンコフ氏は1発のサルマトが運搬できる核弾頭の威力は計6・75~7・5メガトンだとした上で、広島、長崎に投下された原爆による犠牲者数を基にして一定の破壊力あたりの死者数を推計。人口密集地であれば1発のサルマトが3375万~3750万人の人命を奪うことができると結論した。米国の人口は2017年推計で3億2445万人。 

 地形や人口密度、気象条件、投下地点などの諸条件を無視した、あくまでおおざっぱな概算にすぎないものの、すさまじい破壊力であることに間違いはない。 

 サルマトは北大西洋条約機構(NATO)では「サタン2」の通称で呼ばれ、現存の「ボエボダ」の後継ミサイル。10~16の核弾頭を搭載可能で射程距離は1万1000キロ以上、MDの迎撃を受けないようにマッハ20という極超音速で飛行し途中で分裂、弾道を雨あられのように降らせる。米国を攻撃する場合、従来の北極経由ルートのほか、南極を経由しMDの手薄な南方からも攻撃することが可能とされる。2020年の配備を目標としていたが計画の遅れからずれ込むとの報道もある。 (共同通信=太田清)