【MLB】飲酒運転&“逃走”の韓国人内野手がカムバック賞に意欲「yeah, 成功したい」

パイレーツ・姜正浩【写真:Getty Images】

16年12月飲酒運転事故→17年プレーできず→18年3試合→カムバック賞? 米メディア「有力候補」

 昨年11月にパイレーツと年俸300万ドル(約3億4200万円)プラス出来高払いで再契約した姜正浩内野手。16年オフに母国・韓国で飲酒運転で事故を起こし、メジャーの舞台から遠ざかっていたが、昨季終盤にメジャー復帰。完全復活が期待される今季はカムバック賞を目標に掲げているという。

「パイレーツとジョンホ・カンは“カムバック”を願っている」との見出しで特集したのはパイレーツの地元メディア「トリブ・ライブ」。姜は16年12月に韓国で飲酒運転で事故を起こし、現場から一時は“逃走”。さらに、その後も同乗者が運転していたと主張したことなどもあって批判を浴びた。

 直後に行われた17年の第4回WBCの韓国代表からは除外。過去にも飲酒運転をしていたことから、米国の就労ビザも発給されず、2017年シーズンを棒に振る形となった。それでも、2018年になってビザが発給され、パイレーツに復帰。マイナー合流を経て、昨年9月28日(日本時間29日)のレッズ戦でメジャー復帰を果たし、3試合に出場した。

 飲酒運転による事故でキャリアを大きく狂わせたが、メジャー1年目の15年は126試合出場で打率.287、15本塁打、58打点。2年目は103試合出場で打率.255、21本塁打、62打点と好成績をマークした実力者だ。記事によると、2年半ぶりに本拠地PNCパークに姿を見せた韓国人内野手は、報道陣から「カムバック賞を取りたいか?」と問われ、「Oh, yeah, yeah, yeah」と満面の笑みを浮かべて回答し、続けて「活躍していた15、16年と同様のパフォーマンスを見せることをチームは期待している。今年は良いシーズンを送れると信じている」と意気込みを示したという。

監督は期待「パイレーツに入団して以来、最高の体の仕上がり」

 記事では「カンが健康を保ち、レギュラーとして出場時間を確保し、以前メジャーでプレーしていた時に匹敵する活躍を見せられれば、カムバック賞の有力候補に挙がると言ってもいい」「得点力をもたらす存在として、打線の中軸の穴を埋めることになる。チームのプレーオフ進出に貢献する。チームに足りていなかった重要なピースになる」として韓国人内野手の復活を期待している。

 15年からの4年契約が終了し、19年シーズンはオプションとして球団が選択権を持っていた。再契約前には球団から契約オプションを一度行使しないことが発表され、姜正浩は他球団に移籍することもできた。それでも、姜正浩は「パイレーツで成功したい」「常にパイレーツに感謝している。他の球団との契約を考えるのではなく、間違いなくパイレーツに復帰したいと思っていた」と残留を望んでいたという。

 チーム内の期待も高いようで、記事の中でチームメートのスターリン・マルテが「彼が以前のような活躍ができると、信じているよ」と期待。ハードル監督も「彼はパイレーツに入団して以来、最高の体の仕上がりだ。これから彼を出場させていかなければならない。彼は長いこと試合から遠ざかっている。これは我々にとっても彼にとっても未知の領域だ。15年、16年と同等の活躍を求めるのはフェアなことではない。我々は柔軟な見方をしていく」と長い目で起用していくという。

 飲酒運転事故によって戦列を離れていた姜正浩。チームの期待に応え、アジア初のカムバック賞を取れるか注目だ。(Full-Count編集部)

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