「平成『長崎俵物』」→ 長崎俵物へ 改元に伴い変更

 長崎県の水産加工品ブランド「平成『長崎俵物』」が改元に伴い、今年から「平成」の文言が消えることになった。県によると、今後は「長崎俵物」の名称になる。既存の商品やポスターなどは表記を順次変更していく。
 俵物とは、江戸時代に長崎から現在の中国へ輸出していたフカヒレなど海産物の通称。このことにちなみ、「平成『長崎俵物』」は、本県の水産加工品の振興を目指し、水産加工品ブランド認定制度として1999年に創設した。
 長崎県で水揚げされた旬の魚介類などを原料にした練り製品や冷凍食品などを対象に、使用原料や衛生面、おいしさなどを審査し、県水産加工振興協会が認定する。現在、41事業者103商品が認定されており、長崎空港内の専用コーナーなどで販売されている。県水産加工流通課によると、2017年度の認定品販売額は6億700万円。ブランド化することで商品の付加価値が向上したという。
 今回、改元に伴い、新しい元号との齟齬(そご)が生まれるといった理由から「平成」を外すことが決まった。新元号を新たに冠する予定はないという。既に制作されたポスターやパッケージなどは順次変えていく。
 帆船が描かれた現在のロゴマークには「平成」の文言はなく、また「長崎俵物」で商標登録しているため、変更は不要という。同課は「新元号になってもブランド自体は変わらない。今までよりさらに発展させていく」としている。

看板などに躍る「平成」の文字。今後順次変更される=長崎市大黒町、県物産館

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