ファイトはとても大切!
「せっかくヒットさせた魚をバラしてしまった……」というのは、釣り人なら誰しもが経験したことがあるのではないでしょうか。
そんなバラシをなくすためにできることは、タックルバランスの改良・ファイトの改善のたった2点です。
そこで今回はファイトの改善に焦点を当て、ライトタックルでも大物を獲るための3箇条を解説します。
ロッドを立てすぎない
魚とのファイト中にロッドの角度を気にしたことはありますか? 実は、魚を弱らせるためにはロッドの角度がとても重要なのです。
しかし、フィールドではロッドの性能を活かしきれていないファイトをよく目にします。
その代表例が、“ロッドを立てすぎた”ファイトです。なぜ、ロッドの立てすぎはよくないのでしょうか?
ロッドを立てるとパワーが出ない
ロッドを立てすぎると、ロッドの先だけが曲がっている状態になります。しかし、ロッドの中でもっともパワーを発揮するのは、先ではなく根元の部分です。
つまり、ロッドを立てすぎるとパワーを十分に発揮できず、魚に対して強い負荷を掛けられないのです。
ロッドを根元まで曲げるためには、魚との距離が近づくにつれて徐々にロッドを寝かせることが大切。
ロッドの調子にもよりますが、ラインとロッドの角度が常に90度になるようなファイトを心がけましょう。
魚が泳ぐ方向にロッドを倒す
ファイト中に、橋脚やテトラポットなどの障害物に向かって魚が走り始めたら、どのように対処されていますか?
ロッドのパワーまかせに、泳ぐ方向と逆にロッドを倒す方も多いのではないでしょうか。
魚に対してロッドのパワーが大きく勝っている場合はそれでも大丈夫ですが、魚が大きくなるとキャッチ率が低下します。
引っ張られた方向と逆に泳ごうとする
障害物のまわりでファイトをする際は、魚の習性を上手く利用して魚の泳ぐ向きをコントロールすることが大切です。
多くの魚は“引っ張られた方向とは逆方向”に泳ごうとします。
つまり、右方向に向かってほしくない時は、右方向にロッドを倒せば、魚が勝手に左に向かって泳いでくれるのです。
無理に逆方向へロッドを倒すと、ラインが歯や魚体に触れてラインブレイクのリスクが高まります。
沖で魚を弱らせる
「早く魚を釣り上げたい」と思い、必死にリールを巻いているシーンをよく見かけませんか?
しかし、強引なファイトが求められるのは、障害物の周りや根魚を掛けた場合だけです。そのほかのシーンでは、強引なファイトは裏目に出ることが多いのです。
足元で魚が暴れるのは最悪
強引なファイトをすると、魚の体力を奪わずに足元まで寄せてくることになります。
ところが、堤防の基礎などの障害物が多く、魚との間合いが詰まってラインテンションも安定しない足元は、1番魚をバラシやすいところなのです。
つまり、強引なファイトは元気な魚を危険なところに連れてくるだけなのです。
そうならないように、落ち着いて沖で魚を十分に弱らせ、スムーズに取り込めるようにしましょう。
大切なのは、魚とケンカしないこと。
釣具の性能が向上した現在、余裕のあるタックルで挑みさえすれば、少々無謀なファイトをしても魚をキャッチできるのは事実です。
しかし、想定以上の大物や記録級の魚がヒットしたとなると、話は別。
そんな時は魚とケンカせず、上手なファイトでいなすことが求められます。大物を逃さないために、美しいファイトを心がけてはいかがでしょうか。