笠間市 企業向け情報交換会 子連れ出勤、理解を

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子連れ出勤を実践する立場から思いを語る谷中碧さん=笠間市友部駅前の市地域交流センターともべ

新たな働き方として子連れ出勤への理解を深めようと、笠間市主催の事業者向けの情報交換会が25日、同市友部駅前の市地域交流センターともべで開かれた。介護福祉やサービス業など導入に関心を寄せる市内の企業11社が参加し、事例発表や自由な雰囲気で意見が交わされた。

市は昨年10月、女性活躍のための多様な働き方を促そうと、授乳服メーカー「モーハウス」(つくば市)を母体とするNPO法人「子連れスタイル推進協会」と提携し、「子連れ出勤モデル事業」をスタートさせた。同センターは市の呼び掛けに協力し、同12月から試験的に女性職員ら3人が子育て中の乳幼児を連れて出勤している。

情報交換会は、子連れ出勤に対して共通理解を広めるたたき台として開催。同NPOで子連れ出勤企業コンサルタントを担当し、「モーハウス」では経営企画に携わる波多野禎(ただし)さん(42)が講師を務めた。

波多野さんは、帯同型、社内保育型、在宅型など子連れ出勤の形態別にメリットを紹介し、それらを組み合わせて成功している事例を発表。一方、経営の観点から「最終的には人材の流出防止にもつながり、企業のイメージアップの側面も持ち合わせている」と指摘した。

さらに、子連れ出勤を巡りさまざまな議論が起きている現状にも触れ、「子連れ出勤という言葉が一人歩きする傾向にある。導入には、『出勤をする側』『受け入れる側』『取り巻く社会』の3者が、共通のルールをきちんと認識することが重要」と訴えた。

同センターのヨガ教室インストラクターで、子連れ出勤を実践している谷中碧(みどり)さん(31)も登壇。「周囲の支えが不可欠なのでコミュニケーションの機会が増え、互いの信頼感や責任感も高まった。子連れ出勤はメンタルヘルスサポートの一つだと思う」と笑顔で語った。

参加企業からも子連れ出勤を既に取り入れている事例が報告された。訪問介護事業などを手掛けるベストケアーズテクモアでは、6年前から導入。社長の中嶋一成さん(36)は「社員が乳幼児を連れて利用者宅を訪問した際、利用者のほとんどが孫と触れ合う感覚で喜んでいる。メリットの方が圧倒的に多い。時代に合った働き方になっていくのでは」と期待を寄せた。(沢畑浩二)