いぶり噴火湾漁協のホタテ不漁深刻、原因不明の大量死

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 いぶり噴火湾漁協(岩田廣美組合長)の養殖ホタテ(2年貝)の水揚げ量が2018年度(平成30年度)、原因不明の大量死により当初予定の9700トンから半分以下の4400トン程度になりそうだ。記録的な被害を受けた16年度に近い水揚げ量になる見通しで深刻な状況となっている。

 同漁協の養殖ホタテ(2年貝)水揚げ量は、16年度が記録的な大量へい死が発生し、4200トンまで落ち込んだ。昨年度は1万3600トンまで回復したが、再び短期間での不漁となった。平均単価も16年度は1キロ当たり550円だったのに対し、18年度は半分以下の同245円程度になる見込みだ。

 同漁協によると、へい死は3月から始まるホタテ養殖の稚貝をロープに取り付ける「耳づり」作業を始める時期が遅くになるにつれ、目立つという。「7、8割、だめだという漁業者もいる。6月以降に作業した漁業者では9割死んでいるという声もある」(同漁協)と表情を曇らせた。

 ホタテの大量死問題で道議会水産林務委員会(冨原亮委員長)は29日、同漁協伊達支所で地元関係者と意見交換した。冨原委員長はじめ各委員と道水産林務部の幹部、地元側らは岩田組合長ら計29人が出席。意見交換会は非公開。出席者によると、地元側は漁業者への資金面の条件緩和や、漁場環境に対応した総合的な観測システムの構築などを求めたという。

 意見交換後、岩田組合長は取材に「早急に原因を究明してほしい。このままでは噴火湾の漁師は3分の1も残らない」と危機感を募らせた。冨原委員長は前日の28日に渡島地区の関係者とも意見交換をしており「災害と同じ認識で対応していかなければいけない」と声を強めた。 (奥村憲史)

【写真=深刻な打撃を受けている噴火湾のホタテ漁】