日米野球での経験を糧に… ロッテ4年目左腕が求める「力負けしない真っすぐ」

ロッテ・成田翔【写真:(C)PLM】

プロ入りからの3年間で、軽量だった体重は約10kgアップ

 千葉ロッテの左腕・成田翔投手は、身長170センチとプロ野球選手としてはかなり小柄な部類に入る。身長だけではなく、体重も入団時は69~70キロほどと軽量だったが、プロ入り後に行ってきた日々の練習の成果が実り、この3年間で約10キロ増となる79キロまでアップしている。

 成田自身は「去年までは体重を増やしていたんですけど、今年からは増やさない。ここからは体重を維持した上で、どうやって上手く使っていくかだと思うので、そこをいい感じにやっていきたいと思います」と、現状はいわば”第一段階”を終え、取り組み方を変えていくフェーズだと捉えているようだ。

 このオフは「(体が)大きくなったぶん、それをしっかり使えれば球が強くなると思うので、下半身の力を使っていかに前に伝えていくか、そのための体重移動などをトレーナーさんと一緒にやっていました」と、体の大きさに見合った新たな投球フォームに着手している。

 そのため、「(ヒールアップに)戻すことがあるかもしれないですけど、今のところは戻すつもりはないです」と、“ヒールアップ”での投球は一旦封印する方針だ。

「疲れやすいというか、体重が増えた分負担がきていたので。(ヒールアップ)なしで投げられるようになればケガすることもないですし、リスクとかも考えてやめました」

日米野球での悔しい経験を糧に、「力負けしない真っすぐを磨いたつもりです」

 成田の体重アップは、今オフに取り組んでいる課題解決にもつながる要素だ。「ヒールアップをやめたぶんだけ下を使う事を考えているので、押し込みというか、強さを出そうとしています」と、若き左腕は直球の質を改善させようとしている。

 ロッテ浦和球場で行ったブルペンでの投球練習では威力のあるストレートを投げ込んでおり、本人も「(球に)強さが出てきたと思う。自信もありますし、真っすぐをアピールしていきたいと思います」と手応えを掴んでいる様子だ。

 26日のブルペンで成田の球を受けた柿沼友哉捕手も「今日の1回しか受けていないのでなんともいえないですけど、去年の今頃に比べたら(球が)強くなっていると思います」と、左腕の投球に太鼓判を押している。それに続けて、「その中でも右バッターに入っていくような真っすぐに強さが出ていたので、面白いかなと思いました」と昨年との確かな変化を感じ取っていたようだ。

 また、28日に成田のブルペンでの投球を受けた中溝雄也ブルペン捕手も「投げている最中も『今の球は強かったですか』と気にしていましたね」と、左腕がボールの強さを常に意識しながらピッチングに取り組んでいたことを明かしている。

 成田が力強いストレートにこだわる理由は、国際大会での経験にある。「真っすぐに力負けした部分がある」。福岡ソフトバンク・石川柊太投手に代わって出場した『2018日米野球』では、力自慢の打者が揃うMLBオールスターズを相手に2試合に登板したが、サンタナ選手に一発を浴びるなど3失点。十分に力を発揮することができなかった。その悔しさ、経験を糧に、「オフは力負けしない真っすぐを磨いたつもりです」と、ストレートの力強さにこだわり練習を行ってきた。

 オフの取り組みの成果を発揮する舞台は、2月1日に行われる紅白戦という形で用意されている。「コントロールより球の強さ、勢いを重点的にアピールしていきたい」。3年間コツコツと体を大きくしてきた成田は、このオフに重点的に取り組んできた“球の力強さ”をキャンプ開始早々からアピールしていくつもりだ。(「パ・リーグ インサイト」編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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