ユーグレナ、持続可能な藻類生産で世界初の国際認証

認証審査のために培養設備を訪問する審査員

ユーグレナはこのほど、健康食品や化粧品向けに生産する藻類のミドリムシとクロレラについて、「ASC-MSC海藻(藻類)認証」を取得したと発表した。同認証は、社会や環境に配慮し持続可能な海藻・藻類生産者に対する国際認証制度として昨年3月に策定されたもので、今回が世界初の認証となる。国際認証の取得を通じて同社は、製品の国内外への浸透やSDGs(持続可能な開発目標)の推進にもつなげていきたい考えだ。(オルタナ編集部=堀理雄)

持続可能な水産物の国際認証には、養殖業者を対象としたASC(水産養殖管理協議会)認証と漁業者を対象としたMSC(海洋管理協議会)がある。ともに海藻は対象外だったが、2018年3月にASCとMSCが共同で策定した「ASC-MSC海藻(藻類)認証」が発効し、コンブやワカメといった海藻やミドリムシなどの微細藻類も対象となった。

同社は2005年、世界で初めてミドリムシ(学名:ユーグレナ)の屋外での食用大量培養技術の確立に成功し、「ユーグレナの緑汁」など栄養ドリンクやサプリメントといった健康食品、スキンケア化粧品の生産・販売を行っている。その他ミドリムシを活用したバイオ燃料の生産などエネルギー・環境事業なども行う。2018年9月期の決算では売上高150億円で前年比9%の伸びとなっている。

ユーグレナ経営戦略部コーポレートコミュニケーション課の和泉智香氏は「透明性のある国際認証を得られたことで、国内だけでなく海外でも製品利用が広がることを期待している。また日本はワカメやノリなど海藻の消費も多く、他の事業者にも認証取得の動きが広がるきっかけになれば」と話す。

今回の認証にあたっては、実際にミドリムシやクロレラの生産工場がある沖縄県石垣島へ、認証審査員が立ち入り審査を実施。生産者である同社や同グループ企業の八重山殖産において、従業員の労働環境、設備の安全性、廃棄物・排水処理が持続可能な方法で行われているかなどの審査が行われ、認証に至ったという。

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