【平成の長崎】 山本二三展開幕 アニメ背景など200点 長崎県美術館 平成25(2013)年

 長崎県五島市出身のアニメーション美術監督、山本二三さん(59)が手掛けた背景画を展示する「日本のアニメーション美術の創造者 山本二三展」(長崎新聞社、県美術館主催)が4月20日、長崎市出島町の同美術館で開幕した。初日から大勢のファンが訪れ、「天空の城ラピュタ」「火垂るの墓」など名作の世界を堪能した。6月23日まで。

山本二三さんの作品解説を聞く来場者=県美術館

 アニメを彩る背景画を独立した作品ととらえ、その価値と魅力に焦点を当てた企画展。山本さんは24歳の時、後に日本を代表するアニメ作家となる宮崎駿さんに見いだされて「未来少年コナン」の美術監督になり、スタジオジブリ作品を多数手掛けた。作品は綿密な取材と工夫に基づいており、「二三雲」と呼ばれる雲の描写などが高く評価されている。
 会場には山本さん自らが厳選した原画など約200点を展示。「ラピュタ」や「火垂るの墓」の名場面の背景をはじめ、「もののけ姫」の深い森や「時をかける少女」の理科実験室や踏切など、キャラクターが存在しなくても叙情的な温かみの伝わる作品が並ぶ。長崎や五島を描いたオリジナル作もある。
 開場式には山本さんをはじめ、本村忠廣長崎新聞社社長、米田耕司県美術館館長ら関係者約250人が出席。テープカットをして祝った。山本さんは「長崎や五島に吹くさわやかな風のような癒やしを見る人に与えられたら」とあいさつした。
(平成25年4月21日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

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