V長崎 沖縄キャンプ終了 土台づくり 手応え十分

 J2優勝でJ1復帰を狙うV・ファーレン長崎は30日、19日間に及んだ沖縄キャンプを打ち上げた。新体制の下で前半はフィジカル、後半は戦術理解に重点を置いたメニューを実施。手倉森監督は「80点ぐらい。土台づくりをしようと思ったら、そこに土台があったことに気付かされた。ここまでやるんだな」と十分な手応えを口にした。2月2~11日のハワイキャンプで仕上げ、同24日のホームでの開幕戦に臨む。

 ■走れるチーム

 沖縄キャンプの序盤は、昨夏まで20年近く日本代表チームに携わった早川フィットネスコーチ主導で、体力づくりを進めた。13日の持久力測定テストでは好成績を残し、昨季のJ1でトラッキングデータ上位に入った力を証明。手倉森監督も「走れるチーム」と一定評価した。

 走力に加えて強化したのは、試合を決定付けるプレーで求められる「爆発的に発揮させるパワー」。体をぶつけてボールを奪う時、ゴールへ向かう時の瞬間的なパワーを高めるトレーニングを取り入れた。早川コーチは「もう少し個別にアプローチする時間があってもよかったけど、想定の8割くらいはできた」と納得している。

 ■わずか1失点

 後半はJ2千葉、J1のFC東京、仙台と練習試合をした。システムは4-4-2がベース。これまでとは違う戦術だったが、昨季を知る徳永は「監督の説明が分かりやすい。みんな整理しながら試合ができた」と言葉に充実感をにじませた。

 目指すのは「全員が戦っているサッカー」。攻撃、中盤、守備それぞれで約束事を共有しながら、「個」の特長を生かす場面も垣間見えた。メンバーを入れ替えながら挑んだ合計45分×7本の実戦で3得点。失点はFKからの1点だけだった。相手の心理を読み、落ち着いてゲームコントロールする意識を求めた指揮官は「理解力に驚かされる」と目を見張った。引き続きいくつかの組み合わせを試しながら、連係の精度を上げていく。

 ピッチの内外では昨季からのメンバーと新戦力、若手とベテラン、スタッフが和やかにコミュニケーションを取る場面が目立つ。新加入の玉田は「自分なりに話し掛けることができた。いい雰囲気でやれている」と順調になじんでいる様子だった。

 30日に帰路に就いた一行。長崎空港で高田明社長やクラブマスコット「ヴィヴィくん」、ファン、サポーターが温かく出迎えた。2月2日に始まるハワイキャンプでは、より緻密な戦術を浸透させて「勝負を分けるディテールの部分」(手倉森監督)を落とし込んでいく。

沖縄キャンプを終え笑顔で集合写真に納まるV長崎の選手、監督、スタッフら=赤間総合運動公園
昨季全試合に出場した澤田(左)。今季も攻撃の中心として期待される=糸満市西崎陸上競技場
攻守の切り替えが早く、果敢なオーバーラップで好機をつくる亀川=赤間総合運動公園

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