DJI、日本マイクロソフト、NSWがドローンとAIを活用した建築物メンテナンスサービスの開発で協業

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DJI JAPAN株式会社、日本マイクロソフト株式会社、日本システムウエア株式会社(以下:NSW)は、人手に頼っている建築物の外壁調査に対し、民生用ドローンとAI技術を活用した「建築物メンテナンスサービス」の開発で協業することを発表した。

建築物の外壁調査は、専門知識を有する技術者による目視や打診を通じた点検が行われているが、昨今の技術者の高齢化や少子化問題による人手不足が深刻になる一方、老朽化するインフラ・施設などの割合はますます高くなっていくことが見込まれており、建築物を安全に効率よく検査し、維持管理に役立てる仕組みを作ることは重要な課題となっている。

同協業では、DJIのドローンおよび空撮技術力、NSWのDeepLearningを活用したAIソリューションと日本マイクロソフトのクラウドプラットフォームという3社の強みを生かしたサービスの開発により、建築物の外壁調査業務効率化の推進を目的としている。

■協業に関する各社の役割について

NSW:AIソリューション「ToamiVisionシリーズ」のひとつ「CrackVision(クラックビジョン)」を用いて、DeepLearningにより建築物のひび割れを判定するAIエンジンの作成とクラウドシステムの構築を行う。

DJI JAPAN:ドローンの基本的な飛行訓練や実際の現場における作業手順、データ分析など専門的なトレーニングプログラムを体系的に受講できるトレーニングセンター「UTC」(Unmanned Aerial System Training Center)を2018年9月より開設し、ドローン操縦者の業務支援を行っており、本外壁調査についてもドローン操縦者向けトレーニングカリキュラムを提供する予定。

日本マイクロソフト:AIおよびマシンラーニングにおける技術をドローンに活用するグローバルな戦略的パートナーシップをDJIと締結してお、今回は日本における第一弾のプロジェクトとして、NSWの持つAIエンジンとともに建築物の調査業務の実用化に向けた実証実験を行い、その基盤としてパブリッククラウドプラットフォームMicrosoft Azureを提供している。

■実証実験について

実施結果(0.2mm幅相当のひび割れ箇所の検出)

既に3社で本サービスの実証実験を実施しており、上記の図の通り、ドローン撮影した建築物の全体画像を3Dモデル化し、AIで自動抽出したひび割れ個所を3Dモデルに重ねた損傷図を作成するシステムを構築し検証しているという。

実験結果として、ドローンの撮影画像から一般的なひび割れの許容範囲といわれている0.2mm幅相当のひび割れ箇所の検出ができた。これはひび割れ検出技術とドローン撮影・操縦技術が実用に耐えうることを示したものであり、今後はより巨大な建築物に対しても適用できるよう改善を進めていくとしている。

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