【気象コラム】さっぽろ雪まつり、寒さの予想は?

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 2月4日は二十四節気の立春です。暦の上では春の始まりですが、まだ朝晩は厳しい冷え込みとなる日がありますね。

ライトアップされた大雪氷像

 さて、2月4日から11日まで、札幌では「第70回さっぽろ雪まつり」が開催されます。雪まつり会場は大通会場、すすきの会場、つどーむ会場(1月31日から開催)の3カ所です。札幌で気象キャスターをしていた頃、さっぽろ雪まつりは毎年楽しみにしていたイベントでしたが、期間中の天気を予報するのにとても緊張したことを覚えています。

 1950年に開催された第1回さっぽろ雪まつり。市内の中学生や高校生によって制作された雪像6基でのスタートでしたが、今では各会場合わせて200基前後の雪氷像が制作され、世界各地からたくさんの観客が来場するイベントとなりました。特に今回は、70回記念事業として、「雪ミクAR雪像」という世界初のスマホアプリでAR(拡張現実)ライブ体験ができるものなど、工夫を凝らしたさまざまな雪氷像を楽しむことができます。

 これらの雪氷像の制作は9月ごろから準備が始まり、12月下旬ごろから木枠を組んで雪を詰め、1月中旬ごろから削り始めるそうです。実際に市民雪像を制作した経験のある会社の先輩によると、雪像作りに最適な気温は日中でも氷点下3度くらい。少しでも暖かい空気が流れ込むと解けて作業が難しくなるため、氷点下10度前後の厳しい冷え込みとなる夜間に、ストーブのある小屋で何度も暖をとりながら作業を進めたそうです。

 事前に粘土細工で細部まで作っておかないとうまくいかないので、とても根気のいる大変な作業ですが、自分たちが作った雪像の前で記念撮影をする人を見ると、何とも言えずうれしかったとおっしゃっていました。

 大雪氷像は高さ15メートルほどで壮大なスケールですが、隅々まで丁寧に彫刻が施されており、迫力もさることながら、その繊細さにも感動します。昼間は日差しでキラキラと輝き、夜はライトアップやプロジェクションマッピングによってまるで動いているように見えるなど、朝・昼・夜で雪氷像の表情が変化するのも魅力的です。

 また、会場にはご当地グルメのお店が軒を連ねていて、熱々の料理が冷えた体を温めてくれますからうれしいですね。

 雪まつり期間中の2月上旬ごろは、札幌市では最高気温が零度未満の真冬日になることもあり、午後7時の気温(2月上旬の平均)を調べてみると氷点下3度前後になることが分かります(表)。雪氷像を維持するには適温ですが、観客が通った通路は踏み固められて凍結している所が多く、その上にサラサラの雪が降ると、より一層滑りやすくなります。立派な雪氷像を眺めて夢中で写真を撮っていると、足元への注意がおろそかになりますので、靴底に滑り止めを装着するなど転倒しないように気をつけてください。

 1月31日に気象庁から発表された1か月予報によると、2月上旬の北海道地方は平年よりかなり気温が低く、厳しい寒さとなる予想です。万全の防寒・雪道対策をしてお出かけください。

 (気象予報士・久保智子)