好コンディションが生んだサバイバルレース【第38回大阪国際女子マラソン】

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第38回大阪国際女子マラソンは2019年1月27日(日)に行われた。2020年東京オリンピックの代表選考会、マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)への出場権をかけたレースは、8.4度の快晴と走りやすいコンディションの中はじまった。

スタートからしばらくはスローなペースでレースが進むが、5km通過時点で先頭集団は海外勢を含む9名に絞られた。日本人では福士加代子、小原、石井、大森がついている。そこから徐々にペースが上がり始め、集団が崩れていく。日本人選手では石井がやや遅れ始める中、福士加代子や初マラソンの大森がしっかりとついている。タイムを狙う10位集団とははっきり分かれたカタチだ。

海外招待選手が力強い走りを見せている中で、石井が完全に話されてしまい、さらには12.7kmのところで福士加代子が転倒するアクシデント。その後起き上がり先頭集団に追いついたものの、顔の横から軽く流血が見られる。15km通過時点での先頭集団は2時間23秒台のペース。17.5kmあたりでケニアのベテラン、ジェプトゥーが遅れ始める。福士は快調に走っているものの、膝からは流血が見られている。日本人選手はしっかりとしたペースを刻みつつあるが、ここで初マラソンの大森が遅れ始めてしまう。

中間点をすぎたあたりから大森は完全に遅れてしまい、そして優勝候補のアセファがその大森よりさらに遅れる波乱の展開。折返し時点での先頭集団は福士加代子、小原怜、サド、ジェプキルイの4人に絞られる。福士は徐々に先頭グループからは置いてかれてしまうもののペースは十分にMGC出場権獲得圏内、歴戦の経験を活かしこのままゴールするかと思われた。

しかし30kmをすぎたところで福士加代子が一度足をとめてしまう。屈伸運動をしたのちに再度走り始めるものの完全にペースが落ちてしまい、35kmをすぎたところで監督の指示で無念のレースリタイヤとなった。福士はマラソンレースでは初めての途中棄権。

一方の先頭集団、35km手前で小原がラストスパートをかけるも急激なペースアップとまでにはならず、サドとジェプキルイが小原につき3人の並走となる。その後は横一列の並走がずっとつづく我慢のレースに。そして35kmをすぎたところで小原が二度目のスパートをかけ、サドとジェプキルイを突き放しにかかる。

小原の二度目のスパートにジェプキルイがついていくことができず、サドと小原の一騎打ちとなった。そのまま2人で激しいつばぜり合いを見せる。そして37kmすぎ、今度はサドがスパートを掛ける。百戦錬磨のベテランのスパートに、小原は徐々に離されてしまう。

小原怜は最後の最後まで先頭争いを演じたが、サドのラストスパートについていけずあと一歩及ばずの2位となった。MGC出場権をかけた戦いでは、中野円花が2:27:39で出場権をもぎ取った。阿部有香里は2:28:02とあと2秒及ばず涙をのんだ。

第38回大阪国際女子マラソンの速報は詳細をご覧ください。

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