社説[プロ野球キャンプイン]一流選手の迫力楽しみ

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 春の訪れを告げるように2019年シーズンに向けたプロ野球の春季キャンプが1日、県内外で始まる。

 県内ではセ・リーグのヤクルト、DeNA、中日、阪神、パ・リーグのロッテ、楽天がこの日からスタート。中旬には広島と巨人、日ハムの1軍が入り、計9球団が長いペナントレースに向けて心身を鍛える。まずは3月29日の開幕に向けて充実したキャンプにしてもらいたい。

 12球団中、9球団がキャンプを張る沖縄では、球春到来に心弾ませるファンも多い。キャンプ地では、報道関係者だけでなく、早くも県外からのファンが駆け付けて、選手を見守る姿が見られた。

 今年の沖縄キャンプでの注目は、昨年夏の甲子園100回大会を沸かせた大阪桐蔭高出身の根尾昂内野手(中日)と藤原恭大外野手(ロッテ)、金足農高の吉田輝星投手(日ハム)を間近で見られることだろう。楽しみである。

 県出身選手では、平良拳太郎投手(DeNA)、上原健太投手(日ハム)が今年もローテーション入りを果たせるかに期待が集まる。又吉克樹投手(中日)も「復活」が待ち望まれている。キャンプを通して成果を出してもらいたい。新人の宜保翔選手(オリックス)や宮城滝太選手(DeNA)も鍛錬して、早く1軍にはい上がってほしい。

 昨シーズン、パ・リーグMVPと本塁打王に輝いた山川穂高選手(西武)、パ・リーグ最多勝の多和田真三郎投手(同)と近年、県勢の活躍が著しい。2人に続く多くの選手の奮起を期待したい。

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 キャンプによって人、モノ、カネの動きが活発になることから、スポーツ産業は県経済の拡大にとって、重要な役割を担っているといっても過言ではない。

 りゅうぎん総合研究所によると、2018年のキャンプの経済効果は122億8800万円となり、観客数とともに過去最高を更新した。

 新監督就任や注目選手らが話題となり県外からファンが多く訪れ消費額が増えたことが背景にある。今後も経済効果を高めるためには、観客数を増やす努力や1人当たりの消費額の増加は欠かせない。消費を促すための仕組みづくりが必要である。

 沖縄観光の閑散期にあたるため、キャンプは観光振興の面でも貴重なイベントとなっている。的確で迅速な情報発信、受入態勢のレベルアップ、人手の確保などさまざまな面で対応を強化し続けなければならない。

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 経済効果も大事だが、9球団もが沖縄でキャンプを張ることでもたらされる価値は、子どもたちにとってプロ選手のプレーを目前で見られるという刺激である。プロの選手が目標に向かって自らを鍛える姿を見て、学ぶことや感じ入ることも多いに違いない。

 現在、プロ野球で活躍する県出身選手は28人いるという。山川選手のように、トップレベルで活躍する選手も登場した。キャンプで一流の選手の迫力のある動きを見て刺激を受けた子どもたちには、プロの世界をどんどん目指し、羽ばたいてもらいたい。