ランボルギーニ、『ウラカンGT3エボ』がペナルティやパンクの逆境を乗り越えデイトナでデビューウイン

 1月26~27日、アメリカ・フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで2019ロレックス・デイトナ24時間が行われ、ランボルギーニ・ウラカンGT3エボを走らせるGRTグラッサー・レーシング・チーム(ミルコ・ボルトロッティ/ロルフ・イネイチェン/リック・ブルーカーズ/クリスチャン・エンゲルハート組11号車)がGTデイトナクラスを制覇。2018年に続く大会2連覇を達成した。

 2019年シーズンもIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ開幕戦の舞台となったデイトナ24時間。昨年、この伝統の耐久レースを制したランボルギーニとGRTグラッサー・レーシング・チームは、新型モデルとなるランボルギーニ・ウラカンGT3エボを今戦から導入した。

 そんなGRTの11号車ランボルギーニは決勝に先駆けて行われた予選でGTデイトナ(GTD)クラス5番手を獲得し、26日の決勝を3列目からスタートしていく。ファーストスティントを任されたイネイチェンはレース序盤から積極的にポジションを上げ、同じくウラカンGT3エボで参戦したEBIモータースの46号車ランボルギーニなどを交わしてクラス3番手に浮上してみせた。

 しかし、その後首位に立った11号車ランボルギーニは、セーフティカールールに従わなかったとして3分40秒ものストップペナルティを受けて16番手まで順位を落としてしまう。

 それでも前年大会の覇者であるチームは勝利を諦めず挽回を開始。すっかり日の落ちたスタートから7時間後にはブルーカーズが上位グループに加わり、ランボルギーニワークスドライバーであるボルトロッティに代わってからはクラス4番手に。12時間時点ではトップと数秒差の4~5番手につけた。

 未明になるとサーキットに雨が落ち始め、雨脚は徐々に強くなっていく。これにより赤旗が提示されレース一時中断となってしまった。

 約1時間45分の赤旗中断後にリスタートが切られると、直後に46号車ランボルギーニがライバルのポルシェ911 GT3 Rと交錯してリタイアに。また、このアクシデントに巻き込まれたポール・ミラー・レーシング、アンドレア・カルダレッリ組48号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボもオイルリークを起こしてレースから去ることとなった。

■ステファノ・ドメニカリCEO「ランボルギーニで日々ベストを尽くす人々の努力が報われた」

表彰台の頂点に立った(左から)ロルフ・イネイチェン、クリスチャン・エンゲルハート、リック・ブルーカーズ、ミルコ・ボルトロッティ
ランボルギーニ・ウラカンGT3エボの初陣で見事デビューウインを飾った11号車ランボルギーニ

 さらに、クラス3番手につけていた11号車ランボルギーニにも悲劇が。ボルトロッティ駆る11号車はヘビーウエットのなかで迎えたリスタートで、GTル・マン(GTLM)クラスのトップを争う2台のマシンと接触しパンクに見舞われてしまう。

 これによりタイヤ交換を余儀なくされた11号車ランボルギーニはクラス11番手までポジションにポジションを落とすことになったが、その後相次いだセーフティカーランを巧みに使いポジションを回復。

 最後はトップに立った時点で今レース2度目の赤旗提示、レース残り時間11分となったタイミングでレース終了が宣言されたことからGRTグラッサー・レーシング・チーム、11号車ランボルギーニのデイトナ24時間レース2連覇が決定した。

 復活に次ぐ復活によって手にした奇跡的な勝利にランボルギーニのステファノ・ドメニカリCEOは次のようなコメントを寄せている。

「これはランボルギーニにとって歴史的な勝利といえるものだ。ランボルギーニで日々ベストを尽くす人々の努力が報われた」

「2018年の優勝も素晴らしいものだったが、今年の記録はモータースポーツの歴史に残るものになるだろう」

 なお、この他のランボルギーニ・ウラカンGT3エボ勢は、今季アウディR8 LMSからスイッチしたマグナス・レーシングの44号車ランボルギーニがクラス11位、プレシジョン・パフォーマンス・モータースポーツの47号車ランボルギーニはクラッチトラブルに見舞われたことでクラス20位でレースを終えている。

GRTグラッサー・レーシング・チームの11号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ
GRTグラッサー・レーシング・チームの11号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ

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