70年目のルーキー(6)宮城滝太 育成1位、荒削り右腕

 大阪桐蔭が履正社との大阪決勝を制して優勝した2017年の選抜大会。根尾昴(中日1位)や藤原恭大(ロッテ1位)ら新2年生が快音を響かせて甲子園を沸かす中、同学年の滋賀学園高・宮城滝太(18)は公式戦初先発のマウンドに立った。

 2回戦の福大大濠(福岡)戦で8回途中1失点。緊張とは無縁の細身の背番号11が躍り、延長15回の引き分け再試合に持ち込んだ。その日は2試合が再試合となり、1年後のセンバツでタイブレーク制度が導入されるきっかけにもなった熱戦で、荒削りながらも大器の片りんを全国に見せつけた。

 沖縄で生まれ育った右腕は「沖縄を出た方が自分の名前が広がりやすい」と関西の強豪校に飛び込んだ。米大リーグ・ドジャースの前田健太を参考にしたという縦に割れるカーブが武器だ。

 3年夏は甲子園に届かなかったが、憧れのプロへの思いをかなえるため、DeNAベイスターズが昨年9月に実施した入団テストに参加。古村徹らBCリーグの選手とともに、球団幹部に投球を披露した。右肩が痛み、万全の投球ではなかったものの、八馬スカウトは「投球フォームがしなやかでボールにキレがある」と高評価を与える。

 今月始まった新人合同自主トレーニングでキャッチボールを再開。「他の選手に比べて体が弱い。技術は後からついてくる。2年目の支配下を目指したい」と1年目は体づくりに専念する。

 同世代の根尾、藤原との対戦も熱望する右腕は「直球がどれだけ通用するか。伸びしろは自分の方があるはず」。育成枠入団から中継ぎ陣を支えるまでに飛躍した砂田ら先輩の後を追い掛ける。 

 ◆みやぎ・だいた 投手。沖縄県嘉手納町出身。滋賀学園高。高校では1年秋からベンチ入り。翌2年春の選抜2回戦で公式戦初先発し8回途中1失点と好投した。2年秋から主戦で3年夏はベスト4。181センチ、73キロ。右投げ右打ち。背番号100。18歳。

伸びのある直球と縦に割れるカーブが特徴の宮城=横須賀市長浦町のベイスターズ総合グラウンド

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