【MLB】ドジャース名伯楽が語る、先発・前田健太の“鍵”「カウントを有利に進めること」

ドジャース・前田健太【写真:Getty Images】

カウント有利時は被打率.179も不利時は被打率.275「スプリットで空振りを取るために…」

 昨季後半戦から中継ぎに回り、2年連続のワールドシリーズ進出に貢献したドジャースの前田健太投手。今季は再び先発投手に戻って、1年間ローテーションの一角として躍動し、悲願のワールドシリーズ制覇を目指す。

 先発・前田の“再起”の鍵を握るのが、ドジャースのリック・ハニーカット投手コーチ。2006年から投手コーチを務める名伯楽の声を伝えたのはドジャース公式ブログ「ドジャース・インサイダー」。エースのカーショーに対し「健康状態を改善させ、球速を取り戻すことを望む」と期待の声を送る中、同コーチは前田に対し「カウントを有利に進めることが必要不可欠」と課題を挙げた。

 昨季、前田のチェンジアップに対する被打率は.135、スライダーは.216だった。記事では「マエダはエリートな球を投げる」と指摘した上で、ハニーカット投手コーチは前田が追及すべき投球術を示している。

「彼はいくつもの武器を駆使して支配的な投球をする。私が見る限り、フォーシームの制球力は時々不安定になる。彼の中でスライダーが恐らく最も得意な球種だと理解している。そして、スプリットとチェンジアップ(を加えた配球)の組み合わせがうまくいっている時は破壊力もあるが、そのスプリットで空振りをとる為にはカウントを有利に進める必要がある」

 記事によると、昨季、前田はカウント有利時に被打率.179、出塁率.183、長打率.282、OPS.465と支配的な投球をした一方、カウント不利時は被打率.275、出塁率.486、長打率.578、OPS.1.065と苦戦したという。一般的にカウント不利時の投球は有利時より悪化するとはいえ、前田はまるで別人のような投球だった。

 ハニーカット投手コーチが指摘したように、早いカウントからストライクゾーンで勝負する投球スタイルで先発ローテを守るのか、それとも新たなスタイルを構築して挑むのか。すでに渡米し、米ロサンゼルスで自主トレを積む前田。今季の躍動に期待したい。(Full-Count編集部)

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