がん離職防止へ企業に給与助成 兵庫県、代替要員雇用に

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兵庫県庁=神戸市中央区下山手通5

 働きながら治療を続けるがん患者を支援するため、兵庫県が2019年度、企業が患者の休職期間中に代替要員を新たに雇用した場合、給与の一部を助成する制度を創設する方針を固めたことが1日、分かった。医療技術の進歩や治療法の多様化で働きながら通院できる患者が増加する一方、勤務先の理解が得られず、離職を余儀なくされる患者も少なくない。県は助成制度を活用し、企業が率先して患者の働きやすい職場をつくるよう促す。

 がんは国民の2人に1人がかかるとされ、近年は働く世代の患者が増加傾向にある。国立がん研究センターの推計によると、1975年に約10万5千人だった20~64歳の患者が14年には約24万人に増加している。

 ただ、がんになっても進行度合いなどには個人差があり、必ずしも長期療養は必要ない。仕事をしながら治療を続けている患者は全国で30万人以上に上り、16年に成立した改正がん対策基本法でも企業の努力義務として「患者の雇用継続への配慮」が盛り込まれた。

 一方で、短時間勤務などがん患者のための制度を設けている企業はまだ少ないのが実情。厚生労働省の13年の調査では、がん発見時に勤め人だった人の約30%が依願退職し、解雇された人も約4%いた。県はこうした離職を防ぐため、中小企業を対象に、患者が休職する際のカバー人員を雇用した場合、その給与の一部を補助することを決めた。

 19年度当初予算案に約5千万円を計上する方針。がん患者だけでなく、心疾患や脳卒中などを含めることも検討しており、県疾病対策課は「代替人材が入ることで、患者が安心して休める。企業側も社員が身につけた能力や技術を失わずに済み、双方にメリットになるはず」としている。(前川茂之)