元祖シェアオフィスの街にオープン!食の発信地「コマワリキッチン」とは?

かつて有名漫画家たちが下積み時代を過ごした「トキワ荘」、いわば元祖シェアオフィスがあった街・豊島区南長崎に、新たなシェアリングサービスとして“シェアキッチン”が2019年1月22日(火)にオープン。

空いた時間に自分のお店を開いてみたい人、趣味を活かして料理教室やイベントを開催したい人、起業のノウハウを学びたい人を「コマワリキッチン」がサポートしてくれます。そんな新たな食の情報の発信地を取材した、現地ルポをお届けします!

商店街の空き店舗をシェア

「コマワリキッチン」は、西武池袋線・椎名町駅と、都営大江戸線・落合南長崎駅の間ぐらいに位置する、豊島区南長崎にある商店街の空き店舗を利用して誕生しました。有名漫画家たちが住んでいた元祖シェアオフィス「トキワ荘」があった場所のすぐ近くです。ちなみにネーミングの“コマワリ”とは、漫画の“コマ割り”に由来し、線で区切ってシェアするイメージを表しているそうです。

誰でも利用できる時間貸しキッチン

プロ仕様の用具や設備を揃えたキッチンは、会員登録をすれば誰でも利用できます。たとえば、趣味を活かした料理教室や特別な日のケータリングの仕込み、試してみたい新しいメニュー開発、食に関するイベントの開催など、どんな用途にも365日24時間、対応可能です。使い方のアイデアが広がりますね。

週末だけの自分のお店も夢じゃない

食品衛生責任者の資格を持っている人であれば、キッチンで製造したものを店頭で販売することができます。コマワリキッチンは、飲食店営業と菓子製造の許可を取得しているため、自分のブランドで製造・販売することもできるんです。店内にイートインスペース(6席)をつくることも可能。週末の空いた時間だけ、自分のお店を開く夢も実現できます!

オープン初日に出店したのは「のぞみんたべものきょうしつ」(写真・ガトーフレーズ(ストロベリーショートケーキ))と「OKINA和 dining Branchu」(沖縄料理)。

起業したい人のサポート体制も充実

「コマワリキッチン」は、豊島区初の「創業チャレンジ支援施設開設事業補助金」制度を利用した公民連携のシェアキッチンであるため、創業支援に関してのサポート体制が充実しています。食に関する創業を目指す人を対象にした起業塾では、プロから商品開発や販路形成についてアドバイスを受けることができます。

2020年に「トキワ荘」が復元!

池袋からほど近くに位置し、ファミリー層が多い閑静な住宅街にある「コマワリキッチン」の周辺には、手塚治虫氏、石ノ森章太郎氏、赤塚不二夫氏ら有名漫画家が住んだ「トキワ荘」にゆかりのある建物や記念碑が多く、すぐに目に入ってきます。

まず、「コマワリキッチン」の2軒隣には「豊島区トキワ荘通りお休み処」という、トキワ荘の住人だったマンガ家の作品を集めた閲覧コーナーや、実際の部屋を再現した展示コーナーなど、見応えたっぷりのミュージアム的施設があります。

またすぐ裏手には、老朽化のため昭和57年に取り壊された「トキワ荘」跡地で、現在は「日本加除出版株式会社」の社屋内に設置された「トキワ荘跡地モニュメント」があります。

向かいをちょっと行った先には、昭和25年頃創業のマンガ家たちが愛した「中華料理 松葉」が営業中。トキワ荘のマンガ家たちにゆかりの数少ない現存店です。

さらに商店街をずっと歩いていくと、「トキワ荘のヒーローたち」と題された記念碑が設置されている「南長崎花崎公園」があります。ここには、2020年3月にトキワ荘を復元したミュージアムが開設され、国内外の観光客が見込まれています。

商店会や街の賑わい創出の拠点としての役割も期待される「コマワリキッチン」。今後のトキワ荘の盛り上がりとともに、さらに注目が集まりそうです!

コマワリキッチン

住 所:東京都豊島区南長崎2-3-3 エクウス 南長崎1階

設 備:・業務用3口ガスコンロ&コンベクションオーブン

・冷凍冷蔵庫

・対面冷蔵ショーケース

初回登録料:1万円(1年更新、衛生管理費等含む)

利用料金 :ドロップイン会員(月5時間):15,000円

シルバー会員(月15時間) :21,000円

ゴールド会員(月30時間) :35,000円

プラチナ会員(月50時間) :55,000円

起業塾(1コース全5回) :15,000円

施設サイト:http://komawarikitchen.jp/

[All Photos by SACHIKO SHIMOMURA]

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