虎視眈々!?アジアでの成功を夢見る日本人ストライカー!

今回コラムに登場して頂いたのは川畑悠吾(かわばた ゆうご)選手。大学を卒業と同時に、カンボジア1部リーグでプロキャリアをスタートさせた。現在は、香港2部のHongdaでプレー。アジアでの成功を勝ち取るため異国の地に挑戦中の川畑選手に話を伺った。

川畑選手は、大学卒業後にJリーグという選択肢は無かったのですか?

川畑 大学4年の時に就活をしてましたが、自分の本当にやりたいことはサッカー選手になる事だと気づきました。 就活を辞めて、プロを目指すも正直、J1やJ2 はレベル的に厳しく、仮にJ3 のチームに入れても、サッカーだけで生活する事は厳しいのではないかと思っていました。

 元々、海外に対して興味があったので「日本でプロサッカー選手になる事が難しいなら 海外に行こう」と考えていました。そのなかでも、せっかく海外でプレーするのだから、ハングリーになれる土地や、ちょっと危なそうな土地のほうが面白そうと考えていた時に、たまたまアンコールタイガーが国内セレクションをする記事を見つけました。そしてオファーを頂き、カンボジアでプロサッカー選手になる事が出来ました。今でも本当に運 が良かったと思っています。

実際にカンボジアリーグのレベルや待遇はどうでしたか??

川畑 レベルは、年々高くなってきているので、誰でもプレーできるリーグではなくなってきています。 カンボジアでプレーしている日本人選手多くのは、元 Jの選手や年代別代表でプレーしていた選手だったり、助っ人外人のレベルも上がってきています。

 続いて給与面ですが、ピンキリで所属しているクラブによって全然違います。低くて 200 ドル、高くて 2000 ドル程だと思います。 僕自身、大卒 1 年目で目立った実績もなく、期待度も低かったと思うので、給与面は生活がギリギ リ出来る程度しか貰っていなかったです。家も牢屋のような家で生活をしていて、しかもカチカチのベッド一つだけしかなかったです(笑)もちろん、シャワーはありませんし、バケツに水を溜めてそれをかぶり、体を洗っていました。洗濯機もないので、友達の家で洗濯機を借りるか、バケツを使って洗濯していました。もちろん エアコンなどもなく部屋はサウナかと思うくらい暑かったので、2 時間毎に起きては水を被って身体を冷やしていました。ただ、この経験も今となれば良い経験で、どんな事にも感謝出来るようになりました。

カンボジアで1年プレーした後、地域リーグのチームでプレーされたようですが心境の変化などありましたでしょうか?

川畑 小さい頃はJリーガーになることが夢でした。カンボジアに出た時は「僕のレベルではJリーグでプレーする事は不可能だ....」 と自分でJリーグは無理だと決めつけチャレンジもしませんでした。ですが、やっぱチャレンジしたいと思い、カンボジアから帰国してセレクションや練習参加などしました。しかし、結果的にチームが決まらず、地域リーグでアマチュア選手としてプレーする決断をしました。 初めはプロサッカー選手を経験したので、地域リーグでプレーしながら平日は仕事をすることにネガティブに思っていました。ですが、僕が所属していたエリース東京はアマチュアクラブですが、プロチーム以上にプロフェッショナルにサッカーも仕事にも向き合っていました。また、社会人を経験して、色々な方との交流も増え、セカンドキャリアのこともイメージする事が出来るようになりました。日本でアマチュアクラブを経験したからこそ、毎日サッカーが出来る環境があり、好きなことでお金を貰い生活するという事がどんなに幸せなのか改めて実感する事が出来たシーズンでした

どのようにして香港リーグへ移籍されたのでしょうか?

川畑 香港へは代理人の方からチームを紹介して頂き、PVとCV で仮契約を結びました。そして、現地へ行き練習参加の後、正式に契約する事になったのですが、すぐに別クラブへのローン移籍となり HONGDA でプレーすることになりました。

川畑選手が契約されたのは、香港の何部のチームでしょうか?

川畑 僕がプレーするのは香港2部リーグです。レベルはローカル選手はそこそこやれるなという印象です。戦術理解もあり、2部とはいえレベルはそこまで低くないです。ですが、外人選手にス ーパーな選手が少ないところが、1部との差はあるなと思いました。 生活環境は最高です。気候は温暖で日本ほど寒くないです。食事も、基本は中華料理 ですが、日本の食材なども多くあるので、自炊もします。交通は、基本チームの車で送迎があり ますし、電車があるので困ることはないです!

今はJリーグでのプレーが不可能なら、海外に行くという選択肢も増えていると思いますが、川畑選手が考える「海外でプレーする秘訣」みたいなものがあれば教えて下さい。

川畑 僕には、輝かしい経歴も無ければ、身体能力があるわけでも、テクニックがあるわけでもない。特徴のない選手でした。ですが「知らない、分からない所に飛び込む勇気」だけは人一倍ありました。

 僕が思うにチャレンジしない理由を見つける前に、取り敢えずチャレンジすることが、夢を叶えるための近 道だと思います。

また、海外でプロサッカー選手になり、活躍していくには、どれだけ変化を楽しめるか。「郷に

入れば郷に従え」その土地の文化を受け入れ、尊重する事が海外で活躍していくためには大切なことだと思います。

川畑選手ありがとうございました!!

◆川畑選手プレービデオ

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