西武多和田、2度目のブルペン入りも捕手から喝 「入りがひどかった。全然ダメ」

連日となるブルペン投球を行った西武・多和田真三郎【写真:岩国誠】

投球を受けた上本達之ブルペン捕手「投げ方忘れてるんじゃないか」

 昨年のパ・リーグ最多勝、西武・多和田真三郎投手が2日、連日のブルペン入り。初日に投じた53球はすべて捕手を立たせてのものだったが、この日は途中から捕手を座らせ、ストレートのみ計71球を投げ込んだ。

 2日目から捕手を座らせたことについて「今日か明日には(捕手に)座ってもらうつもりでした」と予定通りだという多和田。投じたボールについては「まぁまぁ」と振り返った。

 投球を受けていた上本達之ブルペン捕手は「入りがひどかった。全然ダメ」とブルペン入り直後の右腕から納得いくボールをが来なかったため、「投げ方忘れてるんじゃないか」と声をかけた。その甲斐あってか、投げていくうちに「ちょっとずつ良くなっていった」と胸をなでおろした。

 実はこの2日、多和田は捕手を立たせて投げる際に、実際の捕手の位置から2メートルほど後ろに下がってもらい、ブルペン投球を行っている。上本ブルペン捕手によると「距離があると力んで投げるとボールが垂れて、捕手までボールが届かないので、力を抜いて腕がしなるようにいい回転のボールを投げるという目的を持ってやっていると思います」とその効果を語った。多和田はこの取り組みを「しばらく続けようと思っています」と継続して行う方針だ。

 菊池雄星投手の移籍に伴い、昨年の最多勝投手にかかる負担も大きくなることが予想される今シーズンだが「自分がというより、自分がレベルアップしないとはじまらない。一人一人がそういう意識を持ってやっていけば(菊池の抜けた穴は)カバーできると思うので、まずは自分のことを頑張りたい」と、はっきりとした口調で語った。

 この日のブルペンで多和田の両サイドで投げていたのは今井達也投手と齊藤大将投手。西武投手陣の未来を背負うドラフト1位トリオ揃い踏みのブルペンとなった。真ん中で投げていた多和田自身は「全く気にならなかった」と自らの投球に集中した。

 辻監督からは「仙人!」と新たな愛称で呼ばれているが「何て呼んでくれても、僕は構わない。やることをやるだけ」と意に介さない。今後の予定では8日にバッティングピッチャーとして登板予定という。西武のエースナンバーを背負った右腕は周囲に左右されず、あくまでマイペースを貫き、己を突き進む覚悟だ。(岩国誠 / Makoto Iwakuni)

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