山北駅開業130周年で鉄道模型展 同線走ったD52登場

 現在のJR御殿場線山北駅の開業130周年を記念した鉄道模型展「山北・鉄道模型エキシビション2019」が2日、同駅近くの町ふるさと交流センター2階・山北町鉄道資料館で始まった。同資料館と小田原鉄道歴史研究会の主催で、節目の年に多くの人にかつての「鉄道の町」の歴史を知ってもらい、現在は「観光の町」として展開している山北の活性化を図る。3日まで。

 会場には6畳ほどの大きさのテーブルに5本のレールを敷き、Nゲージを展示。機関車D52(デゴニ)などの御殿場線を走った車両のほか、新幹線N700系や「あさぎり」などが疾走する姿を見ることができる。線路脇には立花学園高校鉄道研究部などが製作したジオラマも置かれている。

 訪れた人は模型が走る姿をスマートフォンの動画に収めたり、精巧なジオラマに見入ったりしていた。自身の設計事務所に鉄道模型を置いているという櫛田俊光さん(73)=小田原市=は「よくできている。地元の御殿場線も走っているのがいいね」と感心していた。

 3日には鉄道模型の無料体験運転(午前11時、午後0時半、同2時半)ができるほか、D52の活躍を描いた絵本「デゴニものがたり」の朗読会(正午、午後2時)も開かれる。同研究会メンバーで、イベントの代表幹事の飯田隆幸さん(46)は、戦時中から走り続け、近年復活したD52や、華やかな東海道線から御殿場線になっても時代の波を乗り越えた山北駅に「不屈の精神」を感じると言い、「その心に触れて、新たな挑戦への“始発駅”にしてほしい」と話している。

 山北駅は1889年2月に東海道線の駅として開業。箱根越えの補助機関車の基地として発展したが、1934年に東海道線が熱海駅を通る現在のルートに変更されたことで、御殿場線の中間駅となった。近くの山北鉄道公園にはD52が展示されており、2016年に動作可能な状態に復活した。

御殿場線を走ったD52などの模型が走る山北・鉄道模型エキシビション=山北町山北の山北町鉄道資料館

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