神戸ビーフ畜産参入支援 需要急増、兵庫県が専門部署

©株式会社神戸新聞社

畜産農家が手塩にかけて育てる但馬牛=兵庫県香美町内(画像の一部を加工しています)

 兵庫県は高級ブランド和牛「神戸ビーフ」の生産力を高めるため、2019年度、畜産に新規参入する企業の支援に乗り出す。国内外の需要拡大の一方、神戸ビーフの関連農家は高齢化。産地に企業を呼び込むことで安定供給につなげる。(山路 進)

 県畜産課内に畜産参入支援センター(仮称)を新設し、県と各市町が管理する空き地や廃校跡地、耕作放棄地などの情報を専任職員が収集する。ふん尿などの影響も考慮した上で候補地リストを作り、参入希望の企業に情報を提供。参入後の経営を支援し、離農予定者から牛舎や牛を引き継ぐための相談にも応じる。

 県によると、県内農家1300戸の大半が但馬牛を飼育しているという。県産に限られる但馬牛のうち、一定基準を満たす高品質の神戸ビーフは12年から輸出を開始。欧米や台湾など23の国・地域に広がり、国内でも訪日外国人を中心に需要を伸ばしてきた。

 これに伴い、淡路市と養父市の家畜市場で取引される但馬牛の子牛価格は12年以降、上昇し続けている。輸出前は1頭平均50万円前後だったのが、18年度には100万円を突破。1キロ当たり平均2千円台だった神戸ビーフの枝肉価格も、18年度は初の4千円台で推移する。

 肉牛農家は、母牛に産ませた子牛を売る繁殖農家▽子牛を肉牛に育てる肥育農家▽両方を担う一貫経営-に3分類される。需要拡大の一方で、県内の畜産農家は高齢化を背景に減少の一途だ。国の統計によると、18年の繁殖農家は1140戸と20年間で3分の1以下に。乳牛を飼育する酪農家も08年605戸から18年290戸と半減した。

 今回の支援対象は牛だけでなく、豚や鶏などを含む畜産全般となる。これまで新規参入については牛、豚、鶏などの畜種別の担当職員が随時対応してきた。しかし、ここ数年で参入に関する企業からの問い合わせが増加。県は大規模な生産が見込まれる企業の新規参入を包括的に支援する専任組織が不可欠と判断した。