森保カラー

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 なんでだよ、ちっくしょう、と心の声が聞こえてきそうだった。試合後半の終わりごろ、渾身(こんしん)のヘディングシュートが外れると、吉田麻也選手は頭を抱えて悔しがった▲過去に4度、決勝に進み、どれも優勝した。今大会の準決勝では強豪イランに快勝した。「5度目」の予感は応援する側だけでなく、選手にもあったらしい。吉田選手はそれを「油断や隙」と感じていたという▲それなのに「律し、締めることができなかった」と試合後に悔いた。長崎市出身の森保一監督が率い、吉田選手が主将を務めるサッカー日本代表は、アジア・カップ決勝でカタールに敗れ、優勝を逃した▲立ち上がりから受けに回り、先手を取られた感がある。大一番での「油断や隙」を今は大いに省みて、やがて糧にするに違いない▲長友佑都選手が森保ジャパンの舞台裏を明かしている。「ロッカールームを試合に出ていない選手が掃除しているんです。…出ている自分たちはやってやろう、絶対に勝つんだという気持ちになる」▲誰かの心遣いが他の誰かを奮い立たせ、これまでにない一体感があった、と。森保監督は就任時、「お互いを尊重し、協力し合う」チームにすると誓った。きっと森保カラーを映しだした「一体感」であり、その色は先々、鮮やかさを増すだろう。あしたがある。(徹)