歴史体感、鎌倉に古民家の宿 民泊新法活用し改装営業

 築約160年の古民家をリノベーションしたホテル「鎌倉古今(ここん)」が1月、神奈川県鎌倉市二階堂にオープンした。住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づき、年間180日限定で営業する。アクセスの良さなどから日帰り観光客が多い古都だが、運営会社は「宿泊して、のんびりと鎌倉を感じる観光スタイルを提案したい」としている。

 ホテルは鎌倉宮や杉本寺などの神社仏閣に近い、閑静な住宅街にある。

 開業したのは古民家再生やホテル、レストラン運営などを手掛ける「くらつぐ」(小田原市)。ホテル出身の松宮大輔社長(51)らが古民家の新たな活用方法を提案しようと昨年1月、設立した。

 1855年に建てられた古民家を賃貸し、横浜銀行からの融資なども受けて改装。「歴史を感じてもらいたい」と外壁やはりなどはそのままにした。利用者がゆったりと過ごせるよう、82平方メートルと88平方メートルの2部屋を用意。1階のレストランは通年で営業する。

 市は古都の街並みを守るため、都市計画法に基づいて市街化区域の半分以上を、旅館業法で定める宿泊施設の開業できないエリアに指定している。

 改装した古民家もエリア内だったが、同社は訪日外国人観光客を呼び込むために国が整えた民泊新法を活用し、オープンさせた。

 同社は20年までに、「古今」を含めて3軒のホテルを市内で開業することを目指している。松宮社長は「ゆったりと、日本の木造建築の美しさや古都を感じる観光スタイルを楽しんでほしい」と呼び掛けている。利用に関する問い合わせは、鎌倉古今電話0467(81)4435。

「鎌倉での宿泊観光を楽しんで」と話す松宮社長

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