葉山、町ぐるみで祝う改元 住民が実行委、アイデア交換

 5月の改元を前に御用邸のある神奈川県葉山町で、天皇陛下退位と新天皇即位を町ぐるみで祝いたいと、町民が中心となり準備を進めている。幅広い世代が参加する実行委員会を立ち上げ、コンサートや記念式典などのアイデアを出し合っており、各行事は新天皇即位の儀式が行われる10月22日ごろの実施で検討を進める予定。実行委は「町民と行政で力を合わせ、葉山らしい祝賀行事にしたい」と意気込んでいる。

 「葉山町改元奉祝実行委員会」は昨年11月に発足。メンバーは町内の商工会関係者や地元NPO法人など25人で、事務局を町が担う。委員長は町商工会長の栁新一郎さん(78)が就き、▽総務▽式典▽組織▽コンサート-の4部会に分かれ、月2回ほど集まり案を話し合っている。

 25日の会合では部会ごとに検討状況を報告。町内小中学生や平成元年生まれの若者が参加する記念式典や、御用邸に隣接する葉山しおさい公園での記帳所設置や竹明かりでのライトアップ、地元の子どもたちや管弦楽団による記念コンサートなどが提案された。

 メンバーからは「小さい子から大人まで一緒にお祝いできるよう、参加者募集を積極的に行う」「より多くの人を巻き込んで盛り上げる方法を考えたい」などの意見が出た。

 町はこれまで、皇太子家の長女愛子さまのご生誕や昭和の日創設記念、天皇陛下即位20年などの節目に、町民主体の祝賀行事を開いた。今回も町民から「町で何かできないか」と声が上がり、町民手作りの行事開催を目指す。

 栁委員長は「三浦半島の一寒村だった町の発展は御用邸なしにはあり得なかった。町一丸となってお祝いし、御用邸と町のつながりを若い人たちに継承したい」と話している。

祝賀行事開催に向けて検討状況を報告した実行委の会合=葉山町役場

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