県下一周 熱走ドラマ もうすぐ開幕 トップ級の選手の走りを間近で

 「3キロ。9分35、36…。ファイトです」。陸上競技場の周辺コース。タイムを伝えるスタッフの声を聞きながら、風を切ってランナーが駆け抜けていく。15日に始まる郡市対抗県下一周駅伝を前に、出場各チームの練習も熱を帯びてきた。
 「マラソンと日本人」(武田薫著)によると、日本で初めての駅伝は1917年4月に開催。京都・三条大橋から東京・上野の不忍池の博覧会場まで、2日間かけて走破したという。
 県下一周駅伝は今年で68回目。あるチームの総監督は選手時代を振り返り「個人で走るロードレースはいざとなれば棄権できるけど、駅伝はそうもいかない。だからこそ、やりがいも大きい」と語る。そして、こう続けた。「毎年この大会が一番の目標。出るのは誇り」。郷土を背負うたすきの重さを感じ、レースを読者に伝える私も身が引き締まる思いがした。
 年末年始にかけ、中学、高校や大学、実業団の県勢男女が駅伝の全国舞台で健闘した。県下一周駅伝は、これらトップ級の選手の走りを間近で見られる機会にもなりそうだ。歴史と伝統のある42区間、407.3キロの熱走ドラマ。本番を楽しみに待ちたい。

練習会でジョグをする長崎チーム=長崎市総合運動公園かきどまり陸上競技場

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