どうする?がんと言われたら…室蘭で市民公開講座

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 市民公開講座「どうする?どうなる?『がん』と言われたら~2人に1人ががんになる時代」が2日、室蘭市知利別町の製鉄記念室蘭病院がん診療センターで開かれ、西胆振管内の医師や管理栄養士、作業療法士らの解説を通じて、出席者は「病気になっても、住み慣れた家で過ごすために必要なこと」について学んだ。

 ひじり在宅クリニック(洞爺湖町)の岡本拓也院長は、「がん診療における在宅医療の役割」をテーマに解説。在宅医療は外来・入院とともに「医療の3本柱」となっている点を指摘。在宅医療では「楽な最期を望むのであれば、終末期が近くなるほど医療は少なめにし、老衰死に近づけることが理想」と話した。

 また、新生児仮死後遺症による脳性まひで、車いす生活を送る熊谷晋一郎・東京大学先端科学技術研究センター准教授の言葉「依存先を増やしていくことこそが自立」を例に挙げ、「上手に(在宅医療の)制度が利用できれば、自宅で過ごしやすくなる。言い換えれば、上手に依存できれば、上手に自立できる」と、在宅医療の面から依存と自立の関係性なども説明した。

 道栄養士会栄養・ケア・ステーション「ナナカマド」の川畑盟子代表は「食事は、がん治療で重要な役割がある。適切な食事を取ることで、よりよい生活の質(QOL)を生む」と、がん患者の栄養管理の観点から解説した。

 製鉄記念室蘭病院リハビリテーション科の若林麻希作業療法士は、終末期に念願のバンド演奏に参加した男性患者のエピソードを紹介。QOLを高めるため、「緩和的リハビリテーションで、その人らしい生活を支援している」と話した。

 市民公開講座は西胆振緩和ケアネットワーク(代表・中谷玲二洞爺温泉病院院長)と、室蘭保健所の共催。今年で4回目の開催。市民ら約50人が耳を傾けた。(松岡秀宜)

【写真=「病気になっても、住み慣れた家で過ごすために必要なこと」などについて学んだ市民公開講座】