【動画】島原半島・国立口之津海上技術学校 若者を世界の海へ

4級海技士を養成する国立口之津海上技術学校=南島原市口之津町(小型無人機ドローン「空彩3号」で撮影)

 港を核に、口之津は3度輝いた。南蛮貿易で西洋文化が花開いた16世紀。石炭中継輸出港として栄えた明治。今は「船員の町」として世界の海に若者たちを送り出している。
 南島原市口之津町の港に面した国立口之津海上技術学校。薄緑色の寮や教室棟などが並ぶ。生徒たちは港内に停泊する練習船「口洋丸」に伝馬船で乗り込み、海に出る。
 同港で石炭輸出を手掛けた三井は1923年の撤退後も、多くの町出身者を船員に採用。これがきっかけとなり、同校の前身、国立口之津海員学校は54年、全国11番目の海員養成校として開校した。国家資格「4級海技士」を目指し、89人の生徒が学んでいる。
 同町の永田常喜さん(80)は1期生。「同級生約50人でモールス信号やカッターの訓練をした。にぎやかで楽しかった」。定年までの約40年、商船三井の甲板員として海を巡った。「金門橋(ゴールデンゲート・ブリッジ)の大きさに驚いた。自分の目で世界を見てほしい」と後輩たちにエール。

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