最古のクラシック・レーベル、ドイツ・グラモフォンが初めて女性指揮者と専属契約を締結

(C)Andreas Hechenberger

リトアニア出身、1986年生まれの指揮者ミルガ=グラジニーテ=ティーラが、昨年創立120周年を迎えた老舗クラシック・レーベル、ドイツ・グラモフォンと長期専属契約を結び、新たな歴史を刻むこととなった。同レーベルはカラヤン、バーンスタイン、アバド、ブーレーズなど伝説的名指揮者が所属してきたクラシックの最高峰。長らく男性がほとんどであった指揮者の世界も近年、才能ある女性の進出が目立ってきていたが、遂にクラシックのメインストリームともいえる名門レーベルも惚れ込む才能を持った女性指揮者が登場した。

ミルガ=グラジニーテ=ティーラは、リトアニア国立チョルリョーニス芸術学校、グラーツ芸術大学、チューリヒ音楽院、ライプツィヒ音楽院、ボローニャ音楽院に学び、ベルン歌劇場第1楽長、ザルツブルク州立劇場音楽監督、ロサンゼルス・フィルの副指揮者を経て、現在はバーミンガム市交響楽団の音楽監督を務める注目の指揮者。

ドイツ・グラモフォンからの新譜は、今年生誕100周年を迎えるポーランドの作曲家ミェチスワフ・ヴァインベルクの交響曲第21番《カディシュ》他の作品を、手兵であるバーミンガム市交響楽団と演奏したアルバムで、2019年5月発売の予定となっている。

世界のプレスの評価

彼女の指揮ぶりは、みごとに簡潔で明確である――拍子の取り方も、出だしの合図も――それでいて表情のつけ方は豊かであり、感情を自由に解き放つ。
「ニューヨークタイムズ」紙/2017年9月

ミルガ・グラジニーテ=ティーラ――その勢いは、誰にもとめられない。
「ザ・ガーディアン」紙/2018年1月

最初の一年目にしてすでに、(バーミンガム市では)彼女が音楽界を席巻した。
「ザ・タイムズ」紙/2018年3月

彼女はその指揮どおりの人であり、自分に正直な指揮をする。自由で、ニュアンスに富み、きわめて正確だが、慣例にとらわれてはいない。                           
「ディー・ツァイト」紙/2018年8月

グラジニーテ=ティーラは、音楽の世界で女性指揮者は底辺から中間地点あたりまでしか行けないという、固定概念を覆した。彼女は女性も指揮者として立派に活躍ができ、トップにまでのぼりつめられることを示した、お手本的存在である。
「ディー・ツァイト」紙/2018年8月

バーミンガム市交響楽団の新任音楽監督でコミュニケーションの達人であるミルガ・グラジニーテ=ティーラに、安直さはない(……)。はったりもなし。ひたすら深くひたむきに、音楽性を追求するのみだ。
「アートデスク」誌/2018年11月

グラジニーテ=ティーラの演奏は、みごとに準備が行き届いている。音楽の背景に働く巨大な力、荒涼とした気配、苦悩、怒りを感じさせる。
「ザ・ガーディアン」紙/2018年11月、ヴァインベルク交響曲第21番について

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