卵・乳...なくても美味 アレルギー対応店 徳島県内に続々 調理工夫、子どもに笑顔

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 アレルギーに対応した食事やスイーツを提供する店が徳島県内で増えている。卵や乳製品、小麦粉といった原因となる食材を使っていない上、調理を工夫しておいしく食べられるようにしており、リピーターも多い。食物アレルギーの子どもは増加しているとみられ、ニーズが高まっている。

 2017年4月にオープンした土日レストラン空と海(徳島市南末広町)は、卵、乳、小麦の3大アレルゲンを除いたコース料理を提供する。普段デイサービスセンターとして活用しているため、施設が休業日となる土日限定で営業しており、多い日で30人ほどが来店する。

 乳製品の代用として豆乳やアーモンドミルクなどを用い、小麦粉の代わりに米粉やヤマイモ粉、コーンスターチなどを使う。管理栄養士の納田友和店長(37)が月ごとにメニューを決めている。

 野菜もふんだんに使い、国が1日に食べる量として推奨する350グラムを上回る400グラム程度が1食で摂取できる。

 乳アレルギーの長男(7)がいる阿南市桑野町の主婦松浦康代さん(36)は17年夏から月1回程度、家族で訪れる。「アレルギー表示のある店に行っても食べられない料理があり、子どもはストレスを感じていた。『空と海』ではどれも安心して食べることができ、喜んでいる」と話す。

 創業24年の自然食品店ぱんぷきん(同市佐古五番町)は、店の一角でランチを提供する「ぱんぷきっちん」を15年3月に始めた。アレルギーの子どもを持つ利用客から外食できる場所がほしいと要望が相次いだためだ。

 ランチは野菜中心で、肉と卵、乳製品を除いて大豆や豆腐などを材料にする。アレルギーの可能性があるとして国が加工食品への表示を義務付ける特定原材料7品と、表示を推奨する20品目全てを使わない「ぴこぴこランチ」もある。

 管理栄養士の新居大介店長(32)がメニューを考え、調味料はぱんぷきんの商品を使う。毎日来る人もおり、新居店長の母でオーナーの加英子さん(59)は「中高生や大人になってからアレルギーを発症したという人も少なくない」と言う。

 通常商品に加えて、卵やバターなど動物性食品を使わないヴィーガンマフィンを販売しているのがマフィン専門店CIRU(同市川内町加賀須野)だ。当初はプレーンとバナナの2種類だけだったが、ブルーベリーやイチゴといった季節の果物にチョコを入れたり、甘酒で味付けしたりした商品も加えた。小麦粉アレルギーがある人向けに、米粉を使ったマフィンも用意している。

 いずれも甘さ控えめで、アレルギーの子向けの利用だけでなく、子どもが離乳食の食べ始めで甘い物を与えたくないと買い求める人もいる。多い日は、1種類当たり30個ほど売れるという。

 アレルギーに対応したケーキを販売するアプトケーキ(同市上八万町下中筋)は、全て個別対応で受注している。症状に応じて卵、大豆、小麦、乳製品などを除いたクリームやスポンジを作る。注文は全国各地からあり、どの材料が使えないかなど全て利用客とメールや電話でやりとりしてから製造する。

 えもとこどもクリニック(同市北沖洲3)に隣接するアレルギー用食品の店・あとぴっ子は、調味料や菓子、レトルト食品など約100種類の商品をそろえる。

 1993年に営業を始めた頃はアレルギーへの認知度が低く仕入れ先は少なかったが、徐々に増加。10年ほど前から大手食品会社も製造するようになり、味にこだわった商品も出てきた。

 クリニックの看護師も務める榎本真理子代表は「生活環境の変化などに伴い、アレルギーの患者は症状が軽い人を中心に間違いなく増加している。このためアレルギーに対応した商品や扱う店が増えているのではないか」とみている。

3大アレルゲンを使わず調理した料理=徳島市南末広町の土日レストラン空と海
卵や乳製品を使わず作ったマフィン(手前)=徳島市川内町のCIRU