佐世保短編映画祭 大森監督の「春」 最優秀作品賞

 国内外の短編映画作品が集まる「渋谷TANPEN映画祭CLIMAX at 佐世保」の表彰式は3日、長崎県佐世保市三浦町のアルカスSASEBOであり、最優秀作品賞の「ゴールデンバーガー賞」に大森歩監督の「春」が選ばれた。作品は主演女優、助演女優、助演男優、監督の各最優秀賞と合わせ5冠に輝いた。
 今年で2回目の映画祭は、させぼ四ケ町商店街協同組合と、「兄弟商店街」の東京・渋谷センター商店街振興組合などでつくる実行委が主催。昨年12月に渋谷で一次審査を通過した37作品を上映。佐世保では最終審査に残った10作品などを紹介して各賞を決定した。
 大森監督は、テレビCMや映画を手掛ける大手映像制作会社「AOI Pro.」(東京都)に所属。「春」は、元軍人の祖父の家に居候する美大生女性の物語。女性が大人になっていく一方で、認知症で子ども返りする祖父の感受性が重なる場面を描いた。
 表彰式では、川田洋副市長が金色に輝く特製の佐世保独楽(こま)を大森監督に手渡して祝福。大森監督は「とてもうれしい。役者さんやスタッフの力のおかげ」と喜びを語った。
 このほか、新たに設けた学生部門の県知事賞には、魏蔓(ウイマン)監督のアニメーション「赤頭巾」が選ばれた。

ゴールデンバーガー賞に輝き金色の佐世保独楽を手にする大森監督(左から2人目)=アルカスSASEBO
ゴールデンバーガー賞に輝いた「春」のワンシーン(映画祭実行委提供)

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