「宣戦布告」日本第一党、川崎駅前でヘイト街宣

 川崎市内でヘイト活動を繰り返す極右政治団体・日本第一党最高顧問の瀬戸弘幸氏が在日コリアン市民への差別を扇動するヘイトスピーチを川崎駅前での街宣活動で行っていたことが4日、分かった。瀬戸氏らは11日に市教育文化会館で集会を計画。市は今回の発言を踏まえて会館の使用可否を検討するとしている。

 瀬戸氏らは4日、街宣の動画をインターネット上で公開した。「宣戦布告」と銘打つ映像の中で瀬戸氏はマイクを手に「川崎市では在日コリアンがどんな犯罪を行っても処罰されない。在日朝鮮人だけ何をやっても許される」と発言。「われわれの集会を暴力でつぶそうとしている」「市役所も警察もマスコミも容認している」とデマを重ねた。

 特定の民族が暴力的で特権を有する敵対勢力であるかのように仕立て、憎悪と迫害をあおる典型的なヘイトスピーチで、市人権・男女共同参画室は「発言はいずれも事実ではない」と問題視。公的施設での差別的言動を防ぐガイドラインに照らし「(使用可否の)判断材料の一つとして文脈を検討する」としている。川崎署も「犯罪があれば取り締まるのが警察の仕事。民族や国籍で捜査が変わることはない」とデマを否定している。

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